ひまわりは太陽を向くのは本当?実際の向きとその理由とは?

ひまわりは太陽の方を向いて咲く。
というのは有名な話ですよね。

どこで聞いたか分からない、でも誰でも知ってるこの話…
花言葉にある「あなただけを見つめる」
とあるように、太陽に一途に向かう姿が印象的なひまわり。

ひまわりの花言葉のまとめ記事はこちら

⇒ ひまわり(向日葵)の12の花言葉!本数で意味が違う?由来が怖い?

 

しかし太陽を向くのが本当のことなのかを
知っている人はあまりいないでしょう。

実際はどうなのか?
また理由はあるか?
など、ひまわりと太陽の関係を確認してみましょう!

ひまわりってどんな植物?

ひまわりは和名で「向日葵」と書きますが、
「日回り」と表記されることもあります。

この様に、太陽の動きを追って花が回る
ということからそう呼ばれます。

またひまわりはそのものが大きな花として
認識されている場合がほとんどですが、
実際は1000~2000の小さな花が集合して
あの形を形成しています。

外側の黄色く長い花びらを付けた花”舌状花”
内側の茶褐色の”筒状花”に分かれます。

また一年草である為、種を採取した際に
ひまわりそのものは機能しなくなり、
全国にある多くのひまわり畑などは、
撤去したのち、採取した種を新たに植え付けます。

さらに小さいものは全長20センチ程度、
大きいものは2メートルを超えるなど、
品種によって大きさや色は様々で、
日本では夏の花として、老若男女問わず親しまれています。

ひまわりは本当に太陽の方を向くの?

ひまわりは本当に太陽の方を
向いて咲くのでしょうか?

またどのような理由で太陽を
向くのでしょうか?

太陽の方を向く性質のと、
その仕組みを詳しく解説してみました!

ひまわりの成長と太陽の関係

夏の花だけあって、ひまわりは日光が大好きな植物です。

これが足りないと、成長が遅くなったり、
花付きが悪くなります。

その為、発芽から蕾ができるまでの成長期の間に限り、
日光を浴びようとする力が働きます。

この「日光を浴びようとする力」
”光屈性”といい、それに作用しているのが
”オーキシン”とと呼ばれる物質です。

オーキシンはひまわりにあるいわゆる成長ホルモンです。

しかしこれは蕾ができるまでのことで、
開花すると、その成長は止まってしまい、
後は種をつけるだけなので、
オーキシンの働きも止まります。

どうしてひまわりは太陽の方を向くの?

ひまわりが太陽の方を向く理由は一つ!
即ち「日光を浴びて成長する為」です。

そこで出てくるのが、前述にある
成長ホルモンの”オーキシン”です。

ひまわりの茎は日中のうち、日に当たる側”東”
日に当たっていない側”西”が存在します。

オーキシンはここで、日に当たっていない側”西”
に作用(移動)して、成長速度を速めることで、
少しでも茎全体に日光を当てようとします。

その為、日光に当たる側の茎”東”に被さるように
日に当たっていない側”西”が伸びることで茎の先端が曲がり、
結果太陽の方を向いているように見えるというわけです。

これは太陽の方向が西側に移動した際に、
オーキシンの作用する茎の方向も変わる為、
太陽の方を追いかけているように見えるのです。

花が咲いたひまわりは日光をさほど必要とせず、
オーキシンの働きも止まる為、
一貫して太陽の方を向くということはなくなるのです。

咲いた花が東側を向いているのはなぜ?

ひまわり畑などにいくと、
同じ方向を向いて咲いている
印象を受けると思います。

それは、ひまわりは夜のうちには咲かず、
日中の開花が多い為と言えるでしょう。

太陽のある東側を向いている状態で、
開花して成長ホルモンが止まり、固定されます。

そうなると常に東側を向いていることになる為、
多くのひまわりが同じ方向を
向いているように見えるのでしょう。

その証拠に、開花して成長の止まった東側に向いている
ひまわりを西側を向くように植え替えても、
自ら東側を向くことはありません。

 

太陽のほうを向くのはひまわりだけなの?

ひまわりが太陽の方を向くことと
その理由は理解してもらえたと思います。

しかし、太陽の方を向くのは
ひまわりだけなのでしょうか?

そもそも光屈性とは、光の方向に反応して、
植物の成長方向が変化する性質のことです。

主に植物で見られる現象ですが、
菌類などにもあるそうで、成長をするために
光を必要とする場合に見られる現象のようです。

ここでひまわりと共通しているのは
花を付けたころには
その活動は止まってしまうというところです。

ひまわりと同じく、成長に必要な現象であり、
花を付けた植物は成長自体はそこで終わりな為、
光屈性が見られなくなるというわけです。

その為、太陽の方を向くという現象は
どの植物に対しても発芽から
蕾を付けたころまでと言えるでしょう。

なんでひまわりだけが太陽を向くと言われるの?

前述の通り、ひまわり以外の植物も
光屈性と呼ばれる太陽の方を向く
という現象を見せるのになぜひまわりだけが
太陽の方を向くと思われているのでしょうか?

これは推測ですが、桜などの木である植物は
全体で光を浴びるため、あまり光屈性を
まざまざと感じさせる動きはしません。

また、コスモスなどの一輪草でも、
光屈性は起こっていると考えられますが、
草丈も低く、茎も細いことから、風に揺れるなど、
ちょっとしたことで花の向きは変わります。

そこでひまわりは大きいものは2メートルにも及び、
また茎も太く花も大きい為、
光屈性が周りからはっきり認識できます。

その為、ひまわりは太陽の方を向く
とイメージがついたのだと思われます。

また太陽に酷似したその姿や夏の花ということから、
イメージの定着に至ったのではないでしょうか?

 

まとめ

如何でしたか?

太陽の方を向くという性質は光屈性と呼ばれ、
またそれには成長ホルモンである
オーキシンという物質が関係していました。

またオーキシンが働くのは、
発芽から蕾の間だけということがわかりました。

太陽の方を向くのは事実でしたが、
開花後はそう見えていただけだったようですね。

 

その他、ひまわりの別名や花びらの枚数といった
雑学も下記の記事で紹介しています。

⇒ ひまわりの種類・品種一覧!別名や花びらの枚数は?