マリーゴールドは丈夫で病気にもかかりにくい、初心者にも育てやすい花の代表です。
ですが管理の仕方を間違うと一番楽しみにしている花が咲かない、なんてことも。
花期が長く、庭や鉢を鮮やかに飾ってくれるマリーゴールドなのに花が咲かない、または咲かなくなった場合の原因と対処法をまとめてみました。
目次
葉っぱが多い
【原因】
葉っぱが多い様子は、いかにも元気いっぱいに見えるので安心しがちです。
しかし葉っぱが茂りすぎるとそちらばかりに栄養がいき、つぼみが落ちてしまう、つぼみをつけないという原因になってしまいます。
また蒸れや過湿の原因になりますので、腐れたり病気が発生したりします。
【対策】
株の内側に向かって伸びている茎や葉はありませんか?
こういった茎や葉を根元から切り落とします。
マリーゴールドは生育旺盛なので「切りすぎたかな?」と思うくらい切ってしまっても大丈夫です。脇芽ばかり伸びている場合は半分まで減らすくらいの気持ちで剪定してみてください。
茎の間引きが終わったら、真上から見て葉が重なり合っていないか確認しましょう。
葉同士が触れ合っていなくて、株元に日が当たるようになれば一安心です。
間引きや剪定の詳しい方法は、下記で解説しています。
肥料の与えすぎ
【原因】
マリーゴールドは長期間花を咲かせることから、いろいろな本やサイトで「肥料を切らさないようにしましょう」「週に一度は肥料をあげましょう」と書かれています。
しかし花が咲かないからといって「肥料が足りないのかな?」と思い、どんどん追肥するのは逆効果になることも。
【対策】
初夏から初冬まで花を咲かせてくれるマリーゴールドに肥料はとても大切です。
花が咲く時期には液肥なら1週間に1度、固形肥料ならそれぞれの規定通りに肥料を与えないと、株が疲れてしまいます。
ですが
・夏の暑さに株が疲れて、生長しなくなったとき
・つぼみが付かないとき
は、肥料をいったん中止します。
過酷な夏の暑さに根が疲れているときや、弱り始めているときの肥料は逆に痛めてしまうことになるからです。
また、肥料の成分にも注意してください。
窒素を含むものをつぼみが付く前に与えてしまうと、葉ばかりが茂り花が咲きません。
肥料はリンを含むものにし、必ず規定通りに希釈しましょう。
濃くして使用したからといってより効果が出るわけではないので注意してくださいね。
咲き終わった花、枯れた花をそのままにした
【原因】
咲き終わった花や枯れた花をそのままにしていませんか?
マリーゴールドは花びらが多く、密集した花を咲かせます(特に八重咲)。
そのため雨に当たると蒸れやすく腐ってしまい、最悪の場合は株全体にカビが生えてしまうなど病気の原因にもつながります。
また咲き終わった花をそのままにしていると、株が種を作ることに集中してしまうので、栄養を優先的にそちらに回そうとします。
そのためつぼみが付かなくなり、だんだん花数が少なくなってしまうのです。
【対策】
こまめな花がら摘みが重要です。
摘み取る位置は花がついている茎の根元、つまり花のすぐ下の葉の上で切れば枯れ込む心配もありません。
また秋にもう一度花を咲かせたいのなら、8月下旬ごろに株を半分ほどの高さに切り戻します。
切り戻す位置は、花茎と同じで葉の根元の1~2㎜上が適切です。
夏の暑さも落ち着き涼しくなり始めた10月ごろには、また可愛らしい花を咲かせてくれるので安心してくださいね。
日光不足
【原因】
マリーゴールドはお日様大好き花です。
日当たりが悪いと茎だけが間延びし葉も少なめ、ヒョロヒョロと軟弱に育ってしまいます。
日光不足のサインとしては
・葉が茶色く変色してきた
・苗と苗の植えた間隔が狭すぎて、お互いの葉が重なっている
というものがあります。
【対策】
とにかくお日様が当たるところで育てることが重要です。
昼間しっかりと日光が当たる場所を選びましょう。
ただし、西日には注意してください。
西日が常に当たる場所に植えると夜の間も土の温度が下がらず、高温で根が傷んでしまいます。
西日が強いベランダなどの場合は
・日中は日陰になる場所へ移動する
・すだれなどで西日の入る量を調節する
など日差しの調節と、温度が下がる時間を作る工夫をしてみてくださいね。
風通しが悪い
【原因】
暑さにも強いとして有名なマリーゴールドですが、蒸れや過湿は苦手です。
風通しが悪いと葉が蒸れ、細菌が繁殖してしまい病気にかかりやすくなります。
また土面の温度が下がらないと根が常に蒸れてしまうので結果株全体が弱り、つぼみをつける元気がなくなります。
【対策】
風通しの良い場所で育てましょう。
地植えなどで植え替えが難しい場合は、積極的に茎の間引きや切り戻しをして風通しを良くしてあげます。
また、株元にワラを敷くことも効果的。
土の表面温度の上がりすぎを予防できますし、蒸れの対策にもなるのでマリーゴールドへの負担を減らすことができますよ。
水はけが悪い・間違った水やり
【原因】
先ほどもご紹介したようにマリーゴールドは過湿が苦手。
水はけの悪い土壌に植えてしまったり、水を与えすぎることで腐ってしまいます。
【対策】
植え付けるときに水はけのよい土を選びましょう。
特に地植えでマリーゴールドを植える前にほかの植物を育てていた場合や、土の入れ替えを行っていない場合には土が固くなっていたり、塊になりやすくなっています。
新しい土を加えてよく耕してから植えることで解消できます。
そのときに赤玉土と堆肥を全体の3割ほど加えて混ぜ込むとよいでしょう。
堆肥を混ぜ込んだ場合はすぐに植え付けるのではなく、2週間ほど寝かせるのがポイントです。
鉢植えの場合には赤玉土:腐葉土=7:3で配合した土を用意します。
こちらも1~2週間寝かせえてから苗を植え付けます。
土づくりが大変な時や、すぐに植えたい場合は市販の培養土などを使えば大丈夫です。
〇水やりのタイミング
毎日水やりをする必要はありません。
むしろ乾燥気味に管理するほうがうまくいくので、土の表面が完全に乾いてからでOKです。
水やりのサインは
・手で触れて完全に乾いている
・土の表面が白っぽくなっている
です。
このときに鉢の底から水があふれ出るまでしっかり、たっぷりと与えてください。
地植えの場合は基本的に水やりは必要がありません。
しおれて来たり、花首が下を向いてきた時にたっぷりと与えましょう。
害虫に食べられている
【原因】
葉や花に、不規則に食べられた跡がありませんか?
この場合2種類の虫の影響が考えられます。
・ハスモンヨトウ
イモムシ状の害虫です。
別名ヨトウムシと言われていて、その名のとおり夜の間に動き出します。
ひどい時には朝起きてみたら葉脈だけになっていた、というほど食欲旺盛。
放っておいたらすべて食べられてしまいます。
・ナメクジ
葉に粘液性のテカテカした這った跡がある場合はナメクジの仕業です。
特に柔らかい新芽や青いつぼみを好むため、花が咲かないだけでなく生育にも影響を与えてしまいます。
【対策】
見つけ次第、捕まえて殺処分するのが一番ですが、どちらもそれなりの大きさがあり抵抗がある方も多いと思います。
その場合には薬剤散布が効果的です。
【おすすめの薬剤】
ハスモンヨトウ虫には…「プレバソンフロアブル5」をおすすめします。
この薬剤はイモムシ類への効果がトップクラス。
早い効果を期待できます。
ナメクジには…「ナメナイト」が効果的です。
粒(ペレット)状のナメナイトはナメクジが好む成分やにおいを配合しています。
そのにおいにつられてやってきたナメクジが、ナメナイトを食べることで駆除します。
夕方まいておけば、翌朝効果を実感できるところもポイントです。
害虫対策については、下記でより詳しく解説しています。
花が咲かないマリーゴールド対策まとめ
マリーゴールドが元気にたくさんの花をつけるために必要なことは
1、日当たりの良い場所
2、水はけのよい土
3、風通しを良くする手入れ
の3つということができます。
この3つさえ守れば病気も防げますし、害虫を寄せ付けない強い株に育てることができます。
あなたのお庭やベランダをマリーゴールドでいっぱいにしてくださいね。