ホウセンカと聞いて「小学校の理科の授業で育てたなぁ!」という人も多いのでは?
アサガオ、ひまわりと並んで多くの人が知っている夏の花です。
そんなホウセンカの開花時期や季節はいつごろでしょうか。
小学生になったわが子と一緒にもう一度育ててみようというあなたも、暑い夏を鮮やかに彩ってくれる花壇やプランターを計画中のあなたも、ここでいっしょに復習してみませんか。
目次
ホウセンカ基礎知識
ホウセンカはラテン語の我慢ができないという意味の「impatiente」が語源となって名付けられました。
これはご存知、種袋に触れるとパチンと実がはじけ飛ぶ様子からつけられたようです。
日本では中国名の「鳳仙花」をそのまま音読みにしたホウセンカという名前が一般的に使われています。
花の形がまるで鳳凰が羽ばたいているような姿に見えたことから漢字をあてたと考えられています。
ホウセンカは1年草の花で、草丈は20㎝~80㎝ほどになります。
ホウセンカの開花時期と季節
ホウセンカは夏の花という印象が強くありますが、実際の開花時期や季節発ごろでしょうか。
早速地域別に調べてみましょう。
植え時
ホウセンカは種で増やすことができます。
種まきの時期は春、桜が満開になるころが最適です(発芽温度20度前後)。
【九州・四国・関東地方】4月上旬~5月上旬、
【関東以北】5月上旬~6月上旬
と覚えておきましょう。
開花時期と満開の時期
花期は6月~8月で、繰り返し花を咲かせます。
【九州・四国・関東地方】7月中旬~10月中旬に開花
8月上旬~9月中旬が見頃
【関東以北】8月上旬~9月下旬
8月下旬~9月中旬が見頃
暑さに強く、比較的水を好む性質があるので梅雨時期でも元気に咲いてくれますよ。
ホウセンカの育て方
ホウセンカはとても丈夫で育てやすく、日本の夏の気候にも適しているので初心者にもおすすめの花です。
用意するもの
・セルトレーか底の浅い鉢や容器(水が抜けるもの)
・土(市販の花の土でOK)
自分でブレンドする場合は水はけのよい土を使うといいですよ。
おすすめは 赤玉土(小粒~極小):腐葉土 = 6:4
・移植用の鉢(地植えなら必要なし)
育て方
1、用意した土に種をすじまきかばらまく
※すじまき…土の上を指や棒で浅い溝を作ります。
その溝に一列に並べるように種をまく方法です。
※ばらまき…土の上にばらばらとまく方法です。
種の重なりなど気にせず、トレーや鉢に均等にまいていきます。
2、種が隠れる程度に土を薄くかけ、水で流れていかないようそっと水やりをする
3、発芽までは水を切らさないように水やりをする
4、5~7日で発芽するので10日目くらいから弱い苗を間引く
5、本葉が2,3枚になったら鉢や庭に植え替える。
●ポイント●
ホウセンカの根は下へまっすぐ伸びます。
鉢に植え替えるときは底が深いものを、地植えならばよく耕して土を柔らかくしておくとぐんぐん成長しますよ。
6、日当たりが良く、適度に湿度もある場所で育てる
乾燥しがちの場所にしか置けないときや、暑さで乾燥しやすいときには、朝晩水やりすることで水分を保ってあげてくださいね。
ホウセンカが咲かない!解決策
丈夫で育てやすいホウセンカですが「花が咲かない」という話を聞くことも。
花が咲く姿を楽しみに育てているのに、つぼみが付かないなんて、ショックも大きいですよね。
この場合、どういった原因があるのでしょうか。
原因1:病気
ホウセンカがかかりやすい病気が2つあります。
ひとつはウドンコ病。
葉や花に白い粉がかかったようにうっすらと白くなります。
一度かかると完治に時間がかかり株が弱るため、つぼみをつける元気もなくなってしまうので予防が大切です。
梅雨前に市販の殺菌剤をまいておくことで防ぐことができますよ。
【ウドンコ病にかかってしまったら……】
ごく初期ならば重曹またはお酢で対処できます。
●重曹……スプレー容器に重曹1gと水500~1000㏄を入れ、よく混ぜる。
●お酢……スプレー容器にお酢3㏄と水50㏄を入れ、よく混ぜる。
この溶液を病気に直接かけます。
効果がない場合には、乾燥したあと何度か繰り返してください。
※注意
重曹もお酢も食用を利用することで安心して使うことができますが、濃度が濃いと葉が変形したり、固くなったり枯れてしまうこともあります。
まずは少量ずつ、部分的に試してみてください。
また、何度も使用すると葉やけの原因になり、逆に株を弱めてしまうのであくまでも病気の初期、病気が広がっていないときに使用するようにしてくださいね。
ふたつめはセンチュウによる被害です。
センチュウとは1㎜ほどの小さなミミズのような細い虫です。
ですが無色透明で目で見つけるのはかなり困難です。
一度感染すると根治は難しく根を腐らせてしまうため、株が弱るだけでなく枯れることもしばしばあります。
ホウセンカはこのセンチュウに対して非常に弱いという性質があり、注意が必要です。
センチュウが嫌がるマリーゴールドを一緒に植えることで、感染の確立を下げることができます。
また、一度センチュウに感染した土は処分し、使いまわさないようにすることも大切です。
原因2:置き場所
ホウセンカが咲かない原因として一番多いのは、実はこの置き場所(植える場所)の問題なんです。
夏の花として有名なホウセンカですが、本来は秋咲の短日性植物です。
短日性植物とは、日が短くなってくると花芽をつける植物のことで、ホウセンカもここに属します。
そのため、
・玄関灯や外灯の近くで育てている(=夜になっても暗くならない)
・日当たりの悪い場所で育てている(=常に薄暗く、はっきりとした昼夜の差が分かりづらい)
というときに花が咲かないというトラブルが起こりやすくなります。
マンションやアパートなどで「どうしてもそこしか置く場所がない」というような場合には夜間、段ボールなどをかぶせて暗くしてやることで昼夜差がはっきり認識できるようになり、花芽をつけてくれますよ。
お試しあれ!
原因3:水やりの方法
先ほどホウセンカは水が好きだとお伝えしましたが、あなたが想像する以上に水が大好きです。
こんなに上げても大丈夫!?というほどあげてちょうどいいくらい!
日当たりのいい場所でじゃぶじゃぶ、しっかりあげてください。
水切れを起こすと一番に影響を受けるのがつぼみです。
肉厚で花の数も多いホウセンカですので、ほかの花より水分を必要とします。
水分が不足すると、つぼみがなえてしまい、やがてぽとりと落ちてしまう結果に。
日差しが強く、乾燥しやすい夏場には朝晩の涼しい時間帯にしっかり水をあげてくださいね。
原因4:使っている土
「連作障害」という言葉をご存知ですか?
同じ場所や土で同じ植物や野菜を作ることを連作といいますが、繰り返し同じものを植えることによってその植物を脅かす病原菌が増えたり、根から分泌される成分が生育を阻害することを連作障害といいます。
ホウセンカはこの、連作障害を受けやすい植物です。
ですので毎年植えたいときには植える場所を変える、同じ場所なら土を入れ替えるなどの対策で元気な株が育ち、可愛らしい花をつけてくれるようになりますよ。
開花促進の効果がある、リンを含んだ肥料を規定通りに与えるのも効果的です。
種まで楽しめる花、ホウセンカ
実はホウセンカ、今や仲間であるアフリカホウセンカ(インパチェンス)にガーデニングの花としても人気の座を奪われてしまった感があり、あまり見かけなくなってきました。
ですが1本の茎に目の覚めるような、鮮やかな色の花がびっしりと咲く姿は見ているだけで元気になれますし、
ぱちん、と音を立ててはぜる種袋は子どものころ、触りたくてうずうずしたことを思い出させてくれます。
種の収穫の時まで楽しめるホウセンカ、今年のガーデニング計画にぜひ取り入れてみませんか。