小学生のころ育てたことがある人も多いホウセンカ。
はじける種が不思議で印象に残っている人も多いのではないでしょうか。
ですがホウセンカ、実は贈り物に向いていない花言葉を持っていること、ご存知ですか?
色鮮やかな花と、はぜる種袋など魅力的なホウセンカ。
趣味のガーデニングで育てた花をプレゼントしたいな、と思うかもしれません。
喜ばせたいと思って贈った花や種で、知らぬ間に相手と気まずくならないように一度確認しておきましょう。
目次
ホウセンカ基本知識
ホウセンカは気温が20℃前後になると発芽する一年草の花です。
属性:ツリフネソウ科ツリフネソウ属
原産地:インド
草丈:20㎝~80㎝(品種によって異なる)
花期:7月~10月
見ごろ:8月~9月
花色:赤・ピンク・白・紫・混色など
ホウセンカの花言葉
ホウセンカの花言葉ですが、
・わたしに触れないで
・短気
・活発
・せっかち
・じれったさ
・解決を急ぐ
・心を開く
・繊細
です。
このような花言葉が付いたのは、ホウセンカの語源にあると言われています。
ホウセンカの語源はラテン語の「impatiente」意味は「我慢できない」です。
これはホウセンカの種の入った袋に触れると、途端にはじけてしまう性質から名付けられたようです。
また、ホウセンカの花言葉の裏側にはギリシャ神話が関係していると言われています。
ホウセンカの花言葉―ギリシャ神話より―
ギリシャ神話には悲しいお話が多くありますが、ホウセンカにまつわる話も悲話として有名です。
ホウセンカになった女神
お話の概要はこうです。
ある日、オリンポスにある宮殿で宴が開かれました。
主催者は全知全能の神、ゼウスです。
ゼウスは招いた神々への贈り物として金のリンゴを用意していました。
ところがそのリンゴがひとつ足りないことに気がつき、リンゴを用意させた女神に疑いの目を向けたのです。
リンゴを用意した女神は自分は盗んでいないと必死に訴えましたが聞き入れてもらえませんでした。
実際、盗んだのは別の女神でこの女神は無実だったのですが、聞く耳を持たない怒りが収まらないゼウスは地上へ追放してしまったのです。
それでもなお、女神は無実を訴え続けましたがその言葉がゼウスに届くことはなく、ついに息絶えてしまいました。
この様子をそばで見ていたのが花の精で、女神を憐れみ、せめてもの慰めになればと花の姿に変えた
その花というのがホウセンカです。
ホウセンカが実を勢いよく弾かせるのは「自分は何も隠していません」「自分は無実です」ということを、自らさらけ出すことで証明し続けているからだと言われています。
ホウセンカにそんな一面が秘められているなんて、見る目が変わりそうな、そんなお話です。
ギリシャ神話から見る花言葉の意味
お話を読んだ今、改めてホウセンカの花言葉を見てみると胸に詰まるものがありませんか。
「短気」「せっかち」は、真偽を確かめることなく激高して地上へ追放したゼウスを指しているのかとも思えますし、「じれったさ」は何度訴えてもゼウスに信じてもらえなかった女神の気持ちを表しているようです。
「解決を急ぐ」というのも、原因追及をしないまま地上へ追放という結論を出したゼウスの焦りや女神の無念さを言っているようです。
「繊細」「私に触れないで」は、触れたらすぐにはぜてしまう種のように、少し触れただけでも叫びだしたくなるような女神の傷ついた気持ちを表現しているのかもしれません。
ひとつの花の特徴から生まれる様々な花言葉。
いろんな物事の見方を教えてくれているようですね。
このような背景から、贈り物には向いていない花といわれるようになったのかもしれません。
西洋では?英名と花言葉
ホウセンカは英語で「Balsam」
花言葉は
・impatience(短気)
・ardent love(燃えるような愛)
です。
ホウセンカの今
impatienceは「インパチェンス」と読み、園芸用のインパチェンスのほうがしっくりとくるかもしれませんね。
実は今ではホウセンカ(アフリカホウセンカ)より、この園芸用のインパチェンスのほうが流通量も多く、主役の座を奪われた感があります。
ですが葉の下に隠れるように控えめながら、鳳凰が羽を広げているような容姿から「鳳仙花」と名付けられたように気品のある花をたくさんつけてくれる魅力的な花です。
今年は小学生の頃を思い出しながらホウセンカを育て、咲いた花や実った種袋を見ながらギリシャ神話に想いをはせてみませんか。