夏の暑い日差しが一番似合う花といっても過言ではないひまわり。
丈夫で元気な花なので基本的には植えっぱなしで大丈夫ですが、害虫の被害に遭ったり病気にかかったりすることも。
今回はひまわりの害虫・病気を症状から逆引きできるようにしてみました。
病気別の対策方法から予防策まで、ひまわりのことなら、このサイトにお任せください!
目次
ひまわり4大病気の症状
ひまわりの病気は主に葉や茎に出ることが多く、主な病気は次の4つです。
黒い斑点がだんだん増えていく
特に地面に近い葉に黒い斑点が増えていく、その斑点の周りが黄色く囲まれたようになる、そんな時は黒斑病にかかっています。
水やりや雨で地面の土が跳ね、土中にいた菌が付着することで発症します。
放っておくと菌が株全体に広がり、最悪の場合枯れてしまうことも。
黒斑病にかかった葉を見つけたら、速やかに取り除くことが大切です。
【発生しやすい時期】
6月~8月
【発生原因】
・梅雨の時期や、雨が続いたあとなど多湿・過湿の状態が続く
・窒素肥料を与えすぎている
・ひまわりの根元に雑草が多く生えている
葉脈にそって淡い黄色の小さな斑点が出る
こんな症状の葉があったら、まずは裏返してみてください。
白、淡い灰色、淡い紫色のカビが出ていませんか?
もしこの症状が当てはまるのなら、べと病にかかっています。
地面に近い葉に発生しやすく、症状が進むと葉がすべて黄色になって枯れてしまうので生長に影響が出ることも。
【発生しやすい時期】
7月~8月
【発生原因】
・曇りや長雨のあとなど、高温多湿の状態が続く
・土が常に湿っている
・前の年にべと病が発生している
葉先に褐色の斑点が出る
葉の先に褐色で円形の小さな斑点が出ていたら褐斑病の可能性が高いです。
黒斑病とよく似ていますが、斑の縁取りがはっきりしているのが黒斑病、ぼんやりとしていて境目が分からないものが褐斑病です。
最初は葉先だけですが、進行すると全体に広がり葉っぱが枯れ、最終的には枝から葉がなくなってしまいます。
葉がなければ当然光合成ができなくなるので生育が悪くなり、立ち枯れることもあるので注意が必要です。
【発生しやすい時期】
7月~8月
【発生原因】
・前年度褐斑病にかかった土をそのまま使った
(畑の中で菌が越冬するため)
・高温多湿
・窒素肥料がの与えすぎ
葉や茎、花の裏の褐色~黒の水にしみたような斑が出る
水がしみた斑ができ、ブヨブヨと柔らかくなっていたら菌核病だと思われます。
カビが原因で起こり、不ぞろいの黒い塊の病斑が出来るのが特徴です。
病斑が広がると葉や茎だけではなく、花全体も腐ったように落ちてしまう怖い病気です。
空気感染するので、発病している株を見つけたら早急に根から引き抜き、焼却処分又は密閉処分してください。
放置しているとひまわりだけでなく、ほかの植物にも感染を広げてしまい最悪の場合、花壇が全滅する恐れがあります。
【発生時期】
6月・9月
低温(10~20℃)で湿度が高い梅雨時期や秋雨の時期
【発生原因】
・水はけの悪い土壌
・低温多湿
・過密に植えている
病気にかかったときの対策と予防策
人間と同じでひまわりの病気も早期発見・早期対策が一番です。
具体的な対策と予防策をご紹介します。
病気にかかった葉を見つけたら、放置しない
ビニール袋などに入れて、密閉します。
その時使ったハサミなどにも菌がついているので、その都度消毒(煮沸・熱湯消毒、アルコール消毒)をして、これ以上病気が広がらないようにします。
排水性の良い土壌を作る
高温多湿は万病の元です。
特に土壌は水はけがよい状態を保つことが重要です。
土の入れ替えが困難な場合には、赤玉土や川砂を使うことで改善できますよ。
水やりのしすぎに注意する
ひまわりは乾燥に強い花です。毎日水やりする必要はありません。
土が完全に乾いて白っぽくなってからたっぷり与えてください。
雨が続いた時期などは、1週間程度水やりをしなくても大丈夫です。
株元の葉が混みあってきたら、葉を取りのぞく
より多くの光合成を行ったり、養分を作るのは主に先端に近い葉といわれています。
地面に近い葉を取りのぞいても成長には影響がないので、葉が混みあっていたり風通しが悪い場合には積極的に取り除くことをおすすめします。
何より風通しを良くして多湿にならないことが大切です。
露がついている早朝や雨の日に摘み取りや摘芯を行わない
高温多湿を好む黒斑病の菌が活発になっている時に摘み取りや摘芯を行うと、その切り口から感染してしまいます。
晴れた日の早朝や夕方の風がない時に行うのがベストです。
ひまわり4大害虫被害の症状
ひまわりは元気で丈夫な花ではありますが、生育環境が悪ければやはり害虫被害が起こってしまいます。
害虫被害も早期発見・早期駆除が鉄則です。
葉の裏に灰色の虫の群れ、白い斑点がある
葉の裏に密集して淡い灰色の虫がいて、小さな白い斑点があるならあなたのひまわりはハダニの被害に遭っています。
ハダニは体長0.5㎜ほど。
葉の汁を吸うとそのあとが白い小斑点として残り、クモの巣状の網をかけるので、すぐにわかります。
とても小さな虫なので被害が小さいうちは気づきにくく、被害が広がり安野々が特徴です。
進行すると葉の色が悪くなり、枯れてしまうこともあります。
【発生時期】
5月~9月
【発生原因】
・極度の乾燥状態
(マンションやコーポのベランダなど、雨が全く当たらないところなど)
【予防と対策】
・ハダニは水に弱いので、朝の涼しい時間や夕方日が落ちてから霧吹きなどで適度に湿らせると効果的。
茎や葉の裏にオレンジ色の虫が密集している
オレンジ色の虫が無数に群がっていたら、アブラムシの可能性が大です。
あなたも一度は聞いたことがあると思います。
それくらいポピュラーな虫ですよね。
アブラムシは葉や茎から汁を吸って生育しますが、それ自体でひまわりが枯れてしまうことはまずありません。
では何が怖いのかというと、アブラムシが様々なウィルスを媒介していると言われているからです。
ウィルスに効く特効薬はなく、いわゆる不治の病にかかってしまうのが本当の被害なので、「たかがアブラムシ」などとあなどれません。
葉や茎にアリが歩いていたら近くにアブラムシがいる可能性が高いので注意して観察してみてください。
【発生時期】
5月~10月
【発生原因】
・窒素成分の多い肥料を与えすぎている
【予防と対策】
・太陽光を嫌うのでシルバーのマルチシートを敷く
・窒素肥料を与えすぎない
・新芽、地上部の乾燥のしすぎに注意する
(朝晩の涼しい、日が落ちている時間に霧吹きすると効果的)
発芽したばかりの葉や若葉が食べられる
特に芽が出たばかりのときに、幼葉が食べられたり若葉が食べられていたら、ナメクジの仕業です。
透明の糸を引いたような這った跡がありませんか?
ナメクジは柔らかい葉、特に新芽を好んで食べてしまいます。
先端の新芽を食べられてしまうと、それ以上生長できなくなるので深刻な被害となります。
見つけたら即刻捕殺してくださいね。
【発生時期】
4月~6月
【発生原因】
・じめじめとした過湿状態が続いている
【予防と対策】
・見つけたら即捕殺または塩を振りかける
・大量発生してる場合には0.3~0.5%の塩水を作りジョウロで撒く
・這った跡だけでナメクジの姿が見えないときは、浅い皿にビールを入れておけば飲んだナメクジが死滅します。
葉脈を残して葉が食い荒らされる
葉脈を残して穴が開いたように食べられていたらヨトウムシの被害が考えられます。
ヨトウムシは「夜盗虫」と書くように、夜の間に動き出し葉をむしゃむしゃと食べてしまいます。
大量発生したときは一晩で食べ尽くされてしまい、葉脈のみになってしまうことも。
昼間は隠れているので、捕殺するなら夜間がチャンスです。
【発生時期】
5月~6月、9月
【発生原因】
・ヨトウガという蛾の成虫が飛来して葉に産卵することで被害に遭う
【予防と対策】
・早期発見・早期捕殺が鉄則
・葉の裏に卵を見つけたら葉ごと取りのぞいて処分する
・ヨトウムシの大好物の米ぬかを、雨風が当たらないところにおいておびき寄せて捕殺する
ひまわりが病気にかからないようにするために
ひまわりの病気予防に大切なことをまとめると
●高温多湿を避ける
●水はけのよい土壌に植える
●毎日よく観察して早期発見・早期対策する
ということです。
高温多湿を防ぐために余裕を持った間隔で植え付けをする、余分な下葉を取り除くことが有効ですし、水はけをよくするためには赤玉や川砂が有効です。
大きな花を咲かせてくれるひまわり。
そのあとにはたくさんの種をつけてくれるので、また次の年への楽しみも膨らむ植物です。
あなたのひまわりが、元気いっぱい大きな花を咲かせてくれますように!