目次
ハイビスカスの増やし方、2種類を紹介
ハイビスカスの増やし方、挿し木と接ぎ木の2つの方法を紹介します。
最初にハイビスカスのタイプや性質を確認しておきましょう。
どちらの方法で増やしたらいいのか、挿し木などで増やす際にどのように気をつけたらいいのかが分かります。
ハイビスカスは3つのタイプに分けられます。
”コーラルタイプ”…暑さ:強い、寒さ:弱い/生育:良好
【花の特徴】
- 垂れ下がった小輪の花
- 花びらの縁に細かい切れ込みがある
【枝・葉の特徴】
- 細い枝
”オールドタイプ”…暑さ・寒さ:強い/生育:良好
【花の特徴】
- 小~中輪
- 単色の花
- 花付きが良い
【枝・葉の特徴】
- 細い枝
- 切れ込みがあるギザギザした葉
”ハワイアン/ニュータイプ”…暑さ・寒さ:弱い/生育:遅い
【花の特徴】
- 大輪
- 色、模様が豊富
- 花付きが悪い
【枝・葉の特徴】
- 太い枝
この中の”オールドタイプ”と”コーラルタイプ”のハイビスカスは、
挿し木で増やします。
”ハワイアンタイプ”のハイビスカスは接ぎ木で増やします。
挿し木ができないことはないですが、性質が弱いので発根しにくく、他の種類の木に接ぎ木をした方が生育が良くなります。
もし、ハイビスカスのタイプが分からない場合は、
性質が弱くて育てにくいハイビスカスは接ぎ木で増やすといいですね。
では、挿し木の方法から紹介していきます。
ハイビスカスの増やし方「挿し木」
性質の良いハイビスカスは挿し木をして増やしましょう。
お店で売られている苗は、大きく成長しすぎないようにハイビスカスに矮化剤が使用されています。
挿し木で増やせば大きく育つハイビスカスになります。
挿し木の時期は、5月から9月頃までの間です。
挿し木の方法は2つあります。
- 土に挿してから発根させる方法
- 水に挿して発根させてから土に挿す方法(水挿し)
まずは、挿し穂を用意するところから紹介します。
ハイビスカスの挿し穂の用意
挿し木をするためのハイビスカスの枝(挿し穂)を準備します。
沖縄のお土産などでハイビスカスの挿し穂を買ってある場合は、
ここは読み飛ばして大丈夫です。
増やしたいハイビスカスが決まったら…
- 少し木質化していて程よく固い、若くて元気な枝を見つけて切り落とす。
- 挿し穂にするための10センチくらいの枝をいくつか切り取って作る。
※葉柄(葉の茎)と枝が交わった部分は新芽がでる部分(葉腋)があるので、際で切る時は1センチくらい上で切ります。
※挿し穂の下は、節のすぐ下で切ると根が出やすくなります。
※挿し穂の下は良く切れる刃物で斜めに切ると、水などの吸収がしやすくなったり、発根も早くなったりします。 - 一つの挿し穂に1・2枚程の葉がつくように余分な葉は取る。枝の下の方は土や水に入れるため葉がない状態にしておく。
- 葉が2枚とも大きい場合は、それぞれの葉の上半分を切る。(水の蒸発を抑えるため。)
これで挿し穂の用意は終わりです。
挿し木の方法①土に挿す
土に挿してから発根させる挿し木方法です。
5月~9月の間にやります。発根するまで1~2ヵ月かかります。
猛暑の8月頃は避けるか、直射日光の当たらない風通しの良い日陰に置いて水やりをきちんとやるようにしてください。
寒さに弱いコーラルタイプのハイビスカスなら6~7月頃、寒さに強いオールドタイプなら9月頃にやってもいいかもしれません。
- コップや空いている容器に水を入れます。植物活力液(HB-101など)も入れると良いです。そこに挿し穂を1時間以上挿しておきます。(水揚げ)
※お店で買った挿し穂は、切り口に癒合材(切り口からの水分の蒸発を防いだり菌が入らないようにするため)が塗ってあるので、そこを落としてからやります。 - ポットか小鉢などに土を入れて挿し床をつくります。土は赤玉土、鹿沼土、種まき・挿し木用の土など。
※しばらくは肥料や腐葉土は入れないようにしてください。 - 土に水をたっぷりかけます。(底から汚れた水が出てくるまで。)
- 土にハイビスカスの挿し穂を挿すための穴を指か棒で開けます。(挿し穂を弱らせないようにするため。)
※容器の真ん中よりも隅のほうに穴をあけます。(隅の方が通気性が良いため。) - 開けた穴にハイビスカスの挿し穂を挿しますが、挿し穂の切り口に発根促進剤(ルートンなど)をつけて挿すと良いです。挿したら抜けないように土を少し手で押し固めます。
もう一度水を軽くかけたら、新芽が出てくるまで日陰に置いて管理してください。
乾いたら水をあげましょう。
元気に大きく育ったら、大きな鉢に植え替えるなどして日当たりの良いところで育ててください。
挿し木の方法②「水挿し」
水を汲んだ容器に挿し穂を挿して発根させる方法です。
5~9月の間にやります。
- 容器に水か、水と植物活力液を入れます。そこに挿し穂を挿して室内の窓際などに置いておきます。
- なるべく毎日水替えをします。
- 枝に小さい卵のような白いブツブツ(カルス)が出てくるのは、元気が良い証みたいです。
- 1~2ヵ月経って挿し穂の根が長く伸びてきたら、ポットなどに赤玉土などを入れてそこに挿し穂を挿します。9月の終わり頃など寒くなってくる時期の場合はそのまま水に挿しておいて翌年の春に土に挿すか、すぐに土に挿したらなるべく温かさを保てるようにして育ててください。
※水挿しをした挿し穂は、初めは根が水を吸収する力が弱いので暑さや乾燥に気をつけてください。
挿し木方法「水挿し」の良いところ
ハイビスカスの挿し木方法は、土に挿して発根させる方法が一般的かもしれません。
ですが、挿し木方法はどっちのほうがいいのか?ということで、
ハイビスカスの「水挿し」の利点を考えてみました。
- ハイビスカスは寒さにはあまり強くないですが、10℃や5℃以下になるような寒い時期でも水挿しなら温かい室内で簡単に管理できる。
- 室内に置いておけるので害虫にやられにくい。
- 真夏でも水切れの心配がない。
- 水あげの代わりに容器の水を替えるだけなので手軽?
- 発根したのかを確認できる。
これを元に、挿し木方法をどちらにするか考えてみてください。
両方試してみてもいいでしょう。
ハイビスカスの増やし方「接ぎ木」
ハワイアンタイプのハイビスカスは接ぎ木で増やしましょう。
性質の弱いハワイアンタイプでも、性質の強いオールドタイプのハイビスカスに接ぎ木をすると丈夫に育つようになります。
時期は挿し木と同じく5~9月の間(真夏は避けたほうが良い)です。
- ハワイアンタイプを接ぎ木するための台木になるハイビスカスを用意する。オールドタイプの中でも「優香」など幹が柔らかい品種を選ぶと切りやすくて接ぎ木をしやすくなります。
- 台木を高さが10~15センチ程になるように切り、脇の枝を全部切り取ります。太い幹だけの状態にします。
- 台木に接ぎ木する穂木(ハワイアンタイプ)も、台木と同じように切ります。
- 穂木の下をナイフで2方向からV字になるように切ります。切り口が凸凹しないようにきれいに切ります。それが台木の凹みに挿す部分になります。
- 台木に、斜め上から切り込みを入れ、木の太さの半分くらいまで(固い台木の場合は半分以上)切り進めます。それが穂木を挿し込む部分になります。
- 穂木を台木に挿し込みます。調節して切り口がぴったり合わさるようします。台木は合わさった部分より上は邪魔になるので切って短くします。
- 穂木と台木が合わさった部分の少し下から接ぎ木テープを巻きつけ、切り口の少し上まで巻きつけます。接ぎ木テープは強めに引っ張りながら巻くとしっかり固定されます。
- 最後に、台木と穂木の切り口(脇の枝を切り落としたあとの切り口と、上部の切り口)に、傷口を癒すための癒合材を塗って終わりです。
接ぎ木は少し手間がかかりますが、鮮やかな大輪の花を咲かせるハワイアンタイプのハイビスカスを増やしたり元気に育てるため!
接ぎ木をするときは、ナイフで怪我をしないように気をつけてください。
ハイビスカスの増やし方…おまけ
種で増やす「実生」の方法もあります。
ハイビスカスは人口受粉をしたほうが良いようです。
水や肥料をしっかりとあげて育てているハイビスカスの花が咲いている時期に、ハイビスカスの雄しべについている黄色い花粉を、他のハイビスカスの花の先端にある雌しべの先につけて受粉させます。
一ヵ月くらいで実が大きくなって、毛の生えた種ができます。それを20~25℃くらいの温かい時期に植えます。
ハイビスカスは基本的には挿し木や接ぎ木で増やしますが、実生を試してみても面白いですね。
まとめ
ハイビスカスは3種類のタイプがあって、増やし方が異なります。
- オールドタイプ…挿し木(または実生)
- コーラルタイプ…挿し木(または実生)
- ハワイアンタイプ…接ぎ木
挿し木は水挿しの方法で増やすと寒い日でも簡単に室内で管理できるので良いです。
売られているハイビスカスの苗のほとんどは、大きくなりすぎないように矮化剤が使用されています。
挿し木などで増やすと大きく成長するので、手入れをきちんとやるか、市販の苗のように矮化剤を使うといいかもしれません。
ハイビスカスを大きく伸び伸びと育てたいときなどに、自分で増やす方法はおすすめです。