冬を彩るシクラメンのお花を長くきれいに咲かせたいですよね。
シクラメンって病気にかかりやすいのかな?
害虫はどんなものがつくんだろう?
きれいにお花を咲かせるために病気や害虫のこと知っておくことはとても大切です。
対策も詳しく調べてまとめました。
お手入れをしっかりして、綺麗なシクラメンのお花を長く楽しみましょう。
目次
シクラメンがかかりやすい病気の症状と対策
萎凋病(いちょうびょう)
発生時期
初夏〜開花期
梅雨明け以降、湿度が高くなると発生。
発生原因
水の与えすぎなどで根が傷んでいるとそこから土の中の菌が侵入し感染する。
症状
まず、葉の一部から黄色くなり、全体に葉が黄色に変色していきます。
続いて、葉は脱水症状になりしおれて枯れていきます。
球根は割ってみると、内部の導管部分が茶褐色に変色しています。
対策
土から感染するので、古い土や、完熟していない堆肥を使うと病気が発生しやすくなります。
新しく清潔な土を使って植え替え、植え付けするようにしましょう。
また、植え替えした時には、病気の予防のためにベノミル剤を灌注します。
夏場に発生しやすいので、月に一度ベンレート水和剤を灌注し予防しましょう。
病気になった株は回復しませんので処分します。
灰色カビ病
発生時期
春から梅雨どき。9月下旬から開花期の湿度が高く、温度が低めの長雨の時などに発生しやすい。
発生原因
通気が悪いときや、花や葉に水がかかったまま放置。
症状
花に1〜2㎜ほどの灰褐色の小さな斑点ができる。
葉柄、花茎、球根の付け根部分に、灰色のカビが発生し次第に腐っていく。
対策
鉢の周りの通気をよくし、枯れた葉や花柄はこまめに摘み取る。
予防として、発生しやすい時期にダニコール1000、トップジンM水和剤などを定期的に散布する。
予防と治癒のためにゲッター水和液を薄めたものや、
そのままスプレーできる殺虫殺菌剤のベニカXファインスプレーを散布。
軟腐病
発生時期
初夏〜夏。高温時期に発生。
発生原因
土から感染することが多い。枯れた葉をとった時にできてしまった傷口から感染することもある。
葉や球根に水をかけると病気にかかりやすい。
症状
葉柄がヌルヌルになって腐る。球根は柔らかくなり、悪臭がする。
対策
土からの感染が多いので、新しい清潔な土を使って植え付けます。
葉柄や球根に傷がつかないように注意する。
予防に、Zボルドー水和剤を土中に灌注する。
シクラメンにつく害虫の症状と対策
アブラムシ(モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ)
発生時期
モモアカアブラムシは気温が低温にも強く、一年を通して発生する。
被害の症状
葉の裏や蕾、花柄、葉柄などに寄生し汁をすう。
アブラムシにより、スス病も併発することがあるので注意が必要。
多量発生すると、枯れてしまうこともある。
対策
通風をよくする。寄せ植えするときは植物を密植しない。
肥料成分の窒素が多すぎると発生しやすい。窒素過多にならないようにします。
見つけ次第、手で押し潰して補殺するなどする。
予防的に、NEWムシナックスイエローなどの粘着テープ、環境に優しい粘着くん液剤などを使用する。
スリップス(アザミウマ)
発生時期
初夏〜初秋の梅雨どきを除く高温乾燥期。
被害の症状
汁液を吸われることで、蕾が萎縮したり、花弁にかすり状のスジが入り奇形になる。
対策
蕾の状態で被害を受けるので、発生初期に見つけるのはとても難しいので、
発生する時期にスミチオン乳剤、オルトラン水和剤を1カ月に一度散布し予防する。
予防として鉢土にオルトラン粒剤をまいておく。
シクラメンホコリダニ、アカダニ
発生時期
初夏〜初秋の梅雨どきを除く高温乾燥期。
被害の症状
ダニが汁液を吸うことで、蕾や葉が萎縮し、花びらがきれいに開かず奇形になる。
ホコリダニは体長が0、2㎜ほどの小さな体をしていますので、肉眼で見つけるのは不可能に近く、
葉などに異常が出てから、その存在に気づくことがほとんどです。
蕾や葉の芽の中など、湿度が高い場所で繁殖しやすく、多数発生すると枯れてしまうことがある。
対策
カネマイトフロアブル、トップジンM水和剤、オーソイド、ベンレート、ダニコール1000などの薄めたものを、
7〜10日毎に順番に散布する。
ハダニ類は、薬剤の抵抗性がつきやすいので、同じものを使い続けるのではなく、
違う種類の薬剤を数種類そろえ、順番に散布すると効果が高まります。
また、薬剤が虫につきやすくするように展着剤を混ぜると効き目が上がります。
安全性を重視するなら粘着くん液剤は環境に優しい製品です。
食品のでんぷんを使用しており、化学殺虫成分を含んでいないので、安心して使えるのでおすすめです。
鉢土にオルトラン粒剤をまいて予防する。
ハマキムシ
発生時期
4月〜11月ごろ。
被害の症状
幼虫が葉を綴って中に潜み、食害する。
対策
巻いている葉を見つけたら、葉を取り除きます。
7月、8月にベニカS乳剤やスミチオン乳剤、オルトラン水和剤などを薄めたものを2週間に1度散布します。
ヨウトムシ
発生時期
9〜11月ごろ発生。
被害の症状
夜間に新芽や蕾、新葉を食ベる。
対策
発生してしまうと駆除が難しいので、発生する前の8月ごろにスミチオン乳剤、ベニカS乳剤を散布する。
予防にオルトラン粒剤をまいておくと簡単です。
ナメクジ
発生時期
春から秋にかけて。
被害の症状
夜間に新芽や新葉を食べる。
対策
見つけ次第捕獲、鉢の周りにナメクジの駆除剤をまく。
天然成分で安心のナメクジがいなくなるつぶつぶや、
ハイポネックスのナメトールも安心の成分でオススメです。
シクラメンの病気・害虫の月別対策まとめ
11月、12月、1月
この時期は、元気に育っている株には病気は発生しません。
予防としてしておきたいこと
殺虫としてはスミチオン乳剤、オルトラン水和剤などを散布する。
殺菌は、ベンレート水和剤などを散布する。
2月
3月ごろから灰色カビ病が発生するので、予防としてスミチオン乳剤を月一回ほど散布する。
3月
いよいよ、病気・害虫が発生しはじめます。
風通しが悪いと、灰色カビ病が、葉柄、葉、蕾、花、萼などに発生します。
見つけ次第取り除きましょう。
また、暖かい日は戸外の日だまりなどに置いて風を当てましょう。
ナメクジの駆除も始めましょう。
4月
3月同様に灰色カビ病に気をつけます。
また、アブラムシも発生します。スミチオン乳剤などを散布しましょう。
スリップスやシクラメンホコリダニの予防にオルトラン粒剤をまいておきましょう。
5月
3月、4月同様に灰色カビ病、アブラムシの発生に注意します。
気温が上昇してくるので、細菌性の球根腐敗病が発生しやすくなります。
予防としてZボルドー水和剤を鉢土に灌注する。
6月
2月、4月と同様に灰色カビ病、アブラムシには注意です。
この頃からダニの防除も月一回、カネマイトフロアブルを散布します。
7月、8月
2月、4月、6月と同様に病気、害虫の予防対策しましょう。
ハマキムシを見つけ次第駆除します。ベンレートS乳剤なども散布します。
ヨウトムシの予防に、スミチオン乳剤などを散布、オルトラン粒剤をばらまいておきます。
9月、10月
細菌性の球根腐敗病の予防にZボルドー水和剤を鉢土に灌注します。
灰色カビ病の予防に、ベンレート水和剤を散布。
ダニ予防にカネマイトフロアブルを散布します。
薬剤散布をするときの注意点
- 体調の悪い時にはしない。
- 部屋の中では使用しない。
- 長袖、長ズボン、ゴム手袋など肌に直接薬剤がかからないようにする。
帽子、マスク、ゴーグルもしたほうが安全です。
- 説明書に書いてある使用回数、使用濃度、使用方法などに従って使用する。
- 基本的に薬剤は混ぜて使用しない。
- 直射日光の当たる日中は避け、朝か夕方に散布する。
- 葉の表面だけでなく、裏面にもしっかり散布する。
- 風の強い日、風向きに注意し自分にかからないようにする。
- 薬剤散布した後は、手を丁寧に洗い、うがいをしておきましょう。
- 着用していたものは単独で洗濯しましょう。
シクラメンの病害虫のまとめ
シクラメンがかかりやすい病気・害虫の発生を抑えるためには予防が大切です。
日頃の管理をしっかりすることで、病気や害虫をある程度防ぐことができます。
発生してからでは、手遅れになることもあります。
予防として注意することをまとめておきますね。
- 通気の良い場所に置くこと。
- 過湿にならないように水やりをする。
- 1日3時間は日の当たる場所に置く。
- 枯れてきた葉や萎れた葉、花が終わったら早めに取り除く。
- 1日の気温差が15℃を超えないような場所に置く。
夜間の窓際は冷えるので部屋の中央などに移動させるなどする。
もし、病気や害虫を発見したら、早めに対処しましょう。
予防として、オススメなのはオルトラン粒剤を鉢土にばらまいて置くと、
いろいろな病気や害虫に効果がみられます。
では、一緒にシクラメンのお花を上手に長く楽しみましょう。