お正月に飾るおめでたいお花とされる福寿草。
黄色の花が一般的ですが、黄白色、青白色、淡桃色、薄紅色などの花色があります。
江戸時代後期の頃、数寄者によりたくさんの園芸品種が生み出され、100種類ほどありました。
現在は悲しいことに10数種ほどに減ってしまったそうです。
さて、このお花には、どんな花言葉があるのでしょう。
実は良い花言葉ばかりではないようです。
福寿草の花言葉と由来などを調べてみました。
目次
福寿草の花言葉
良い花言葉
- 祝福
- おめでた
- 幸せを招く
- 永久の幸福
- 希望
- 極限の愛
上記に記したように、お正月に咲き、飾られることから幸せを伝える花言葉が多いですね。
中間的な花言葉
- 回想
- 思い出
- 恋の記憶
中間的としたのは、良い方にも悪い方にも取れるような花言葉だと思ったからです。
使い方次第という感じの花言葉です。
悲しい花言葉
- 悲しき思い出
こちらの花言葉は、悲しいギリシャ神話や伝説から来た花言葉ですね。
福寿草の意味や名前の由来、別名
福寿草の意味
「幸福」と「長寿」で福寿草。
別名は「元日草」といい、新年を祝うお花として、とても縁起の良いお花の意味を持ちます。
福寿草の名前の由来
福寿草の名前は、日本でつけられれたもので、旧暦の元旦の頃に咲いていたことから、
江戸時代初期から新年を祝う花として、床飾りに用いられていたそうです。
そこから、「幸福の福」「長寿の寿」を合わせて「福寿草」となったそうです。
福寿草の別名
- 元日草
- 朔日草(ツイタチソウ)
- 正月花
- 献歳菊
- 賀正蘭
ギリシャ神話の福寿草
福寿草の英名はAmur adonis。
ギリシャ神話に伝わるアドニスのお話は、福寿草ともう一つ、
同じキンポウゲ科のアネモネのお花があります。
アドニスの誕生のお話は幾つかありますのでご紹介しますね。
『ギリシャ神話』と『変身物語』の誕生説。
- アポロードスが伝えるギリシャ神話は原典とされており、キュプロス人の王ピュグマリオーンの娘「メタルメー」と「キニュラース」の子供がアドニスとされている。
- ヘーシオドスが伝えるものでは、「ポイニクス」と「アルペシボイア」との子供とされています。
- パニュアッシスは、「アッシリア王」とその娘の「スミュルナー」との子供とされています。
- オウィディウスの『変身物語』では、「キュニラース」と「スミュルナー」との子供とされる。
ギリシャ神話の中のアドニス
アドニスはギリシャ神話の中にでてくる美しい青年です。
女神アフロディーテが息子のエロースの恋の矢により胸を傷つけられます。
恋の矢が刺さったその直後、美男子のアドニスを見てしまったアフロディーテが彼に夢中になってしまいます。
狩り好きなアドニスに、怪我をしてはいけないとアフロディーテは「獅子のような獣を狩ってはいけません」と忠告します。
しかし、忠告を聞かずに狩を楽しんでいたアドニスは、獰猛なイノシシに突かれて命を落としてしまいます。
恋するアドニスを忘れないために、アフロディーテがアドニスから流れた血に神の酒を注ぐと、
そこから血のように赤い福寿草(アネモネ)が咲いたとされています。
アイヌの伝説
アイヌでは福寿草をクノウと呼び親しんでいます。
しかし、このお花には悲しい伝説があるんです。
昔、蝦夷の国(北海道)の天上の女神に、クノウという美しい姫がいました。
姫が年頃になり、父御神は婿の選択に苦慮していました。
そこで、地上の神を調査したところ、たまたま、土竜の神が似合いだということになりました。
クノウ姫も承諾し婚約が成立しました。
しかし、このクノウ姫は土竜の神との結婚が本当は嫌で、結婚式の最中に消えてしましました。
土竜の神が、どこに行ったのかと探していたところ、千草八千草の花の中で泣いていたクノウ姫を見つけます。
怒った土竜の神は『おんみは父御神の心に違い、天に背き、天上地上を騒がせた。再び天上の雲の宮居に帰らすことはできない。一生地上の草となって、踏みにじられるがよい』と言って拳を上げてクノウ姫を打ち、蹴り、踏みつけた。
クノウ姫はそのまま黄色の花をつけた福寿草になったというお話。
そこで、福寿草に姫の名前をとって、クノウと呼ぶようになったというアイヌ伝説。
悲しいお話ですね。
福寿草は毒草?
福寿草は、強心剤や利尿剤として利用されていますが、毒草です。
強烈な心臓毒を含んでいますので、十分な知識がないのに手を出すととても危険です。
毒の成分は、シマリン、アドニトキシン。
根っこの部分に多く有毒成分が含まれています。
薬用を目的として煎じて飲み、死亡したという例もありますので、
自分で絶対に煎じたりして飲まないようにしましょう。
福寿草の花言葉まとめ
福寿草の花言葉は良いものが多い半面、ギリシャ神話やアイヌ伝説から来た悲しいものもありましたね。
福寿草は、「幸福」と「長寿」から付けられた名前なので、とても縁起の良い花とされています。
ナンテンとともに寄せ植えにして、『災い転じて福となす』と言われます。
縁起の良い「不老長寿の松」や「利益や富などの花言葉を持つ千両、万両」などの植物を合わせた寄せ植えを贈ると喜ばれますね。
悲しい花言葉もありましたので、贈り物に使うなら、花言葉の意味をしっかり伝えましょう。