ラベンダーの切り花・生花を長持ちさせる7つの方法

憧れのラベンダー切花販売

お庭やベランダで育てたラベンダーを、切り花としてお部屋で楽しみたい!
そう思って活けてみたこと、ありませんか?

試したことがある方なら分かるかと思いますが、
ラベンダーの切り花はあまり長持ちしません。

ですかちょっとしたコツで、フレッシュなラベンダーを
いつもより長く楽しめるようになります。

ポイントごとに解説していきますので、最後までお付き合いくださいね。

 

ラベンダーの切り花は〇日が限界?

ラベンダーの切り花、実は2日間が限界だと言われているのをご存知ですか?
それくらい、生花として楽しめる時間が短い花なんです。

ラベンダーはもともと乾燥を好む植物なので、花や茎の部分に水分をためておこうとする力が、
ほかの花よりも弱いという性質があります。

お花屋さんなどでもラベンダーの切り花を見かけることがめったにないのは、
そのせいかもしれません。

 

ラベンダーの切り花を長持ちさせる7つの方法

ですが、せっかく生花が手に入ったのならば、フレッシュさを長く楽しみたいですよね。

ラベンダーの切り花の香りは、ドライフラワーやアロマオイルとは
また違ったみずみずしさが魅力的です。

実はラベンダー、花穂の部分よりも茎の部分の方が香りが強いんですよ。

飾るお部屋が少しでも長くラベンダーの花と香りで満たされるよう、
お手入れのポイントをご紹介します。

水切りをする

茎を水の中で切って、給水力を上げることを水切りと言います。
水切りは読んで字のごとく茎の断面を
空気に触れさせないように切るのがポイントです。

水を張った洗面器やバケツの中に、茎とはさみを入れ
断面が大きくなるように斜めにカットしてくださいね。

そのままの状態で1時間ほど水から上げずに、しっかり吸水させてあげましょう。

水切りは生花の命綱!

濡らした新聞紙で包む

出先で花をいただいたときなど、すぐに水切りができないときにおすすめの方法です。

切り花を濡らした新聞紙で花の先から茎まですっぽり包みます。
あまりきつく巻きすぎないように注意してくださいね。

新聞紙に包んだまま、薄く水を張ったバケツなどにつけておくとさらに良いですが
できない場合は風通しの良い暗いところに立てておきましょう。

水の量は少なめに

「たくさん水を吸えるように」と、花瓶いっぱいに水を入れていませんか?

これはラベンダーに限らず、切り花には逆効果です。
水を吸うのはあくまで茎の先(切り口)です。
茎全体が長時間水に浸った状態が続くと腐ってしまいます。

当然、腐ってしまった茎が水を吸水できるわけもなく、
また腐敗は全体に広がって生花は枯れてしまいます。

ですので水は花瓶の底から5㎝程度がベスト。
水をどんどん吸う場合は、その都度足してあげるのが長持ちの秘訣です。

また水に浸かる部分の葉は、先に取り除いてから花瓶に入れてくださいね。

こまめに水を変える

先ほどもお伝えしましたが、長時間水に浸かった状態が続くと
茎は腐りやすくなります。

この腐敗の原因は、水の中に潜むバクテリア(雑菌)なんです。
バクテリアがどんどん増殖すると、水を吸う管がバクテリアで詰まってしまいます。

そうすると水分を花まで運ぶことができず、途中で腐ってしまうんです。

腐敗がはじまり、バクテリアだらけになると水が濁ったり、
ときには悪臭がすることも。

これを防ぐためにはこまめな水替えが一番です。

その時に、水に浸かっていた茎の部分を軽く洗って
ぬめりを取ることを忘れないでくださいね。

雑菌をできるだけ落としてから新しい水に入れることが大切です。

花瓶もしっかり洗うこと

花瓶洗いも忘れないで

案外見落とされがちなのが花瓶。
花に目が行きがちですが、花瓶はいわば切り花の住まい。
水は私たちの飲食物といったところでしょうか。

いくら自分がお風呂に入って体を清潔にしても、
お部屋がバクテリアだらけで食べ物、飲み物が腐っていたら
病気になってしまいますよね。

ですから花瓶も毎回しっかり洗うことを心がけてください。

茎が弱ってきたら、こまめに切る

水替えの時に茎を洗っていて、少し柔らかくなっていたり
変色(緑があせる、茶色になるなど)があったら、早目に茎を切ることも
花の長持ちには効果的です。

柔らかくなる、色が変わるということは雑菌の温床になっているということ。
ここを早く切り取ることで、花全体が弱るのを防ぐことができるんです。

このとき先ほどご紹介した水切りをしてあげてくださいね。

しおれた花、枯れた花は取り除く

切花ならではのフレッシュさが魅力

しおれたり変色した花を、もう一度飾ろうとはしないと思いますが
こういった花はすぐに取り除いてください。

ラベンダーは花のひとつひとつが小さいので面倒かもしれませんが
このひと手間で長持ち度が一段と変わってきます。

実はしおれたり枯れた花からは、あるガスが出ています。
そのガスとはエチレンガス

エチレンはホルモンの一種で植物や食物の成熟を促す効果があります。

植物では花の開花を早くするので温度管理などと共に
エチレンを利用することで一年中出荷することができますし、
食物は未成熟な段階で収穫しておいて、出荷直前に成熟させることも可能になっているのです。

よく熟してないバナナやキウイはリンゴと一緒に袋に入れて
密閉すると早く食べごろになるといいますよね。

これはリンゴがエチレンを生産する力が強いことを利用した生活の知恵です。

ところがこのエチレン、やっかいなのが

完熟してもさらにガスを出し続ける

ということ。
完熟後の植物や食物をエチレンガスにさらし続けると、
そのあとは老化、つまり枯れたり腐ったりしてしまうのです。

ラベンダーの小さな一輪から始まった成熟も、常に生み出されるエチレンガスで
どんどん枯れていく結果に。

これを避けるためにはこまめなお手入れが大切です。

 

早い!簡単!!効果的!!!切り花延命剤

切り花や花束を買ったときに、ちょうど化粧品のサンプルのような、
小さな小袋をもらったことがありませんか?

「お水に溶かして使ってくださいね」

などと言われた場合はきっと延命剤です。

延命剤はその名の通り、切り花のきれいな時間を延ばすための薬剤です。

主な働きは

・抗菌効果(バクテリアの繁殖防止)
・界面活性剤の力で水揚げを手助け
・銀イオン配合なら老化防止の効果

などです。
また、裏面の成分表示で見かけることがあるかもしれない
「糖(ショ糖)」ですがこれは栄養分です。

土から養分を補えなくなった切り花にとって
貴重な養分となります。

 

切り花延命剤あれこれ

薫り立ちそうなラベンダー

比較的簡単に手に入る延命剤として有名なものをいくつかご紹介します。
延命剤を使用すれば4~5日水替えが不要になることも!

使う頻度や使いやすさ、お得度などあなたの生活に合ったものを選んでみてくださいね。

キープフラワー

発売開始はなんと1970年!
フラワーサプリメントの老舗と言ってもいいかもしれませんね。
主な効果は
・花が大きく咲いて、葉も元気に!
・切り花にするとなかなか咲かないと言われているつぼみも
キープフラワーなら開花可能!
・強力な抗菌効果で水替えの頻度が激減です。

キュート切花長もち液

「キュート」の名の通り、花器に直接キューと注入できる延命剤です。
・本体に軽量メモリがついているので必要量が一目で分かります。
・バクテリアの増殖を抑えるミョウバン配合です。
・界面活性剤の働きで吸水力を高めます。

切花長もち液

こちらは薄めて使う経済的な延命剤です。
よく切り花を購入される方や、ご自宅で楽しまれる方、
フラワーアレンジメントや生け花などを習われている方におすすめです。

効果はキュート切花長もち液と同じなので
用途に合わせて選んでくださいね。

水あげ名人

こちらはステンレス、銅、錫、真鍮などの花器にも安心して使える
延命剤です。
そのため仏花や榊などにも使用できる優れもの!

クリザール

聞いたことある!と思ったあなたは鋭い!!
クリザール、全国のイオン系スーパーの花屋さんで取り扱っている、
ひょっとしたら一番身近な延命剤かもしれません。

粉末もあるのでお試しで使いたいあなたにもうれしいサイズです。

美咲

比較的手に入りやすいと言えば、美咲も多くの花屋さんで取り扱われています。
無機イオンの力で切り花でも根のある状態に近づけることができます。

イキイキ切花延命剤

シンプルイズベスト!レトロかわいい延命剤です

ジョンソンエンドジョンソン社の延命剤です。
昭和レトロなデザインもどこか懐かしいかわいさですね。

 

切り花延命剤がない時に。応急処置に効果的な3つの方法

サプライズでお花をいただいたり、延命剤を買ったことがないとき……。
ひとまずおうちにあるものでできる応急処置をご紹介します。

入れるなら漂白剤?重曹?それとも10円玉?

一度は聞いたことがあるかもしれない裏技、実際どうなのでしょうか。

●漂白剤…適量に注意
1Lあたり1~2滴というごく少量でOKです。
入れすぎると逆に枯らしてしまうので、注意してくださいね。

水替えは毎日行ってください。

●重曹…効果のほどは「?」
残念ながら私が調べた限り、延命には重曹は向いていないようです。
重曹の殺菌効果に目を付けた方法のようですが、
そもそも重曹の粒子が荒いので完全に水に溶けることなく
ラベンダーの給水管をふさぐ結果になりかねません。

●10円玉…銅イオンの効果に期待
花瓶の底に10円玉を5~6枚入れることで10円玉の原材料である
銅から発生する銅イオンで殺菌効果が期待できます。

水替えの度にしっかり洗ってくださいね。

ラベンダーの花束は気品あふれて圧巻!

 

ラベンダーの切り花は特別で、とても貴重

ここまでラベンダーの切り花の管理の難しさばかりを紹介してきましたが

正直プロの花屋さんでも取り扱わないほど、切り花としての流通は皆無に等しいのが現状です。

ということは裏を返せばそれだけ、とても特別で貴重な花ということ。
育てたからこそいけることができる幸せ、
美しさのピークが数日だからこそ、旬を感じてほしいと贈ってくれたその人の感性の豊かさ。

ラベンダーはほかの生花より、たくさんのものをあなたに届けてくれているのかもしれません。

少しでも長く、あなたとフレッシュなラベンダーの思い出の時間が増えますように…。