マリーゴールドの害虫・病気対策10個!斑点の原因は?

マリーゴールド一重咲き

マリーゴールドは丈夫で育てやすく初心者にもおすすめの花です。
害虫を寄せ付けない花としても有名ですが、そんなマリーゴールドも害虫被害や病気にかかることがあります。

初夏から初冬まで長い期間咲き続けてくれるマリーゴールドですから、病害虫に負けないように育てたいですよね。
もしかかった場合も早目の対処で大事な花を守ることができるかもしれません。

あなたのマリーゴールドはどんな状態ですか?
症状別に病害虫の解説と対処、また予防策を解説します。

症状別マリーゴールドの害虫被害

害虫とはその名の通り「植物や作物に害を加える虫」のことです。
マリーゴールドの場合、おもに葉が狙われ食べられてしまいます。

うっかりしているとあっという間に全部食べられてしまうので、日ごろからよく観察することが大切です。

葉にくねくねした線状に食べられた跡がある

先端に幼虫がいます

ハエモグリバエ(マメハモグリバエ)という虫に食べられています。
線は白く、くねくねと蛇行していて絵描いたようになるのが特徴です。

ハエの一種で葉を食べてさなぎになり、その後ふ化します。
放っておくと生育が悪くなる、枯れる、早く葉が落ちるなど症状が進みます。

【対策】
白い食害された線の先端に幼虫がいるので、その部分を押しつぶして駆除します。
葉の中に潜んでいる幼虫には薬剤の散布が効果的です。

【おすすめの薬剤】
・ベニカJスプレー
ケムシやイラガにも使える薬剤です。
スプレータイプなので簡単に使用できます。

葉の表面に白い点が集まっている

マリーゴールドを主食としているトラフアザミウマという1.2㎜ほどの害虫です。
色は幼虫時代は白から黄緑、黄橙色になり成長すると黒と灰の縞模様になります。

【対策】
幼虫も成虫も葉に寄生し、花は食べません。
見つけたら捕獲し押しつぶすなどして駆除します。

【おすすめの薬剤】
・アファーム乳剤
害虫の神経系に作用し、素早い効果が期待できます。
自然界由来の成分なので小さいお子さんやペットのいるご家庭でも安心して使用できるのが特徴です。

葉の表面に白い点が集まっている、不規則な円状で黄色に変色する

ハダニの駆除は比較的簡単です

体長0.3~0.5㎜のハダニ科の昆虫です。
見た目はクモのようで糸を吐きます。

ハダニは20℃~30℃の高温で乾燥した状態のときに発生し、被害範囲が広がりやすい一方、駆除は比較的簡単なので早めの対策が効果的です。

【対策】
ハダニが少数の場合は薬剤を使用せず駆除できます。
ハダニは葉の裏に集団で規制しているので、ガムテープやセロハンテープでペタッとくっくけて捕獲しましょう。

また牛乳:水=1:1で配合し、晴れた日に葉に散布しハダニを窒息させます。
ただしそのままにしておくと牛乳が腐るので散布後は水でよく洗い流しましょう。

大量に発生した場合は、薬剤の散布で駆除します。

【おすすめの薬剤】
・でんぷんスプレー
その名の通り有効成分は「でんぷん」ですので有益な昆虫に影響を与えません。
また、粘着性を利用して窒息死させるので即効性を期待できます。

葉や花に不規則に食べられた跡がある、粘液状の這った跡がある

不規則に食べられた跡がある場合は2種類の虫が考えられます。
食べられた跡があるだけならハスモンヨトウというイモムシ状の害虫の食害です。
夜間に活動し、激しい時には葉脈だけを残して食べつくしてしまいます。

一方葉に粘液性の這った跡があるならナメクジの仕業です。
柔らかい新芽を好むため、生育に影響が出やすいので注意が必要です。

【対策】
どちらの虫も捕殺が一番ですが、ほかの害虫と比べて大きいため抵抗がある場合は薬剤を利用するのが良いでしょう。

【おすすめの薬剤】
ハスモンヨトウ虫には「プレバソンフロアブル5」が効果的です。
この薬剤はイモムシ類の薬剤では最強クラスといわれています。

ナメクジには「ナメナイト」をおすすめします。
ペレット状のナメナイトはナメクジを誘い出し食べさせることで駆除します。
夕方まいておけば、一晩で効果が出ますよ。

葉の軸だけを残して葉をすべて食べつくされる

すべて食べられた状態は、先ほど紹介したハスモンヨトウ虫かナメクジの食害が進んだ姿です。新芽を食べられた場合は苗の立ち上げが難しくなるので、こうなる前に対策することが大切です。

 

症状別マリーゴールドの病気

マリーゴールドの病気

マリーゴールドの花や葉に付着して広がる病気は、主にカビ菌の増殖によるものです。
風などに乗って菌が広がったり、土から感染します。

と株全体が病気にかかってしまうので早期発見が重要です。

葉がしおれる、元気がない

モザイク病と呼ばれ、別名ウイルス病
この病気にかかった場合、葉や花に濃淡のまだら模様が現れます。
症状が進むと葉が縮んだり小さくなり、元気がなくなります。

【発生の原因と対策】
アブラムシがモザイク病のウイルスを吸って媒介します。
アブラムシを寄せ付けない、アブラムシを見つけたら早めに駆除することでモザイク病の発生も予防できます。

もし発生した場合、治療方法がないので感染部分を取りのぞきましょう。
広範囲の感染の場合はその株ごと引き抜くか、薬剤散布でこれ以上広がらないように対策します。

【おすすめの薬剤】
ガーデントップ
ウイルスで広がるため、残念ながら治療薬はありません。
対策としてアブラムシを寄せ付けないことが大切になります。

ガーデントップはスプレータイプですので、散布も簡単です。

葉に白や灰色のカビのようなもの(斑点)が付く

最初は葉や花が全体的にうっすら白っぽいなーという程度ですが、次第に濃くなりうどん粉をまぶしたようになることからうどんこ病と呼ばれている病気です。

うどんこ病

【発生の原因と対策】
カビと同様、風で飛ばされた胞子が付着することで発生します。
涼しく湿度が低いところで発生しやすく、特に風通しの悪い場所で多発するので注意が必要です。

【おすすめの薬剤】
・ベニカXスプレー
害虫と病気の両方に効果があるスプレーです。
アブラムシやケムシの駆除にも使えるので、ガーデニングを楽しんでいるなら1本持っていて損はない薬剤です。

地面近くの茎が黒くぶよぶよし、凹んでいる

下の葉から黄色く変色し、株の根元の茎が腐っていきます。
細くくびれ根が腐って最終的には枯れてしまうことから立枯れ病、株腐れ病などといわれています。

【発生の原因と対策】
カビの一種で土壌の中で越冬し、土に面した茎に付着、侵入することで増殖します。

植え付け前の土壌の消毒をするのが効果的だと言われていますが、ほかの植物が一緒に植えてある場合には難しいでしょう。
植物に影響を与えない薬剤の利用が効果的です。

【おすすめの薬剤】
・石原フロンサイド粉剤
土壌の殺菌・消毒ができる優れた薬剤です。
粉状なので扱いやすいのもポイント。

根こぶ病の予防にも使われています。
長期間にわたって効果が持続するので連作が続いている場合は、一度殺菌をすると土由来の病気を防ぐことができます。

葉の片側から黄色く変色し枯れていく

半身萎凋病もいろいろな植物で見かけます

半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)といわれ、植物の片側の下葉が黄色に変色するところから症状が始まります。
やがて全体に症状が広がり枯死してしまいます。

発生した株の茎を切り取って断面をみてみると、片側だけ茶色く変色しているので他の病気と見分けがつきます。

【発生の原因と対策】
典型的な土壌伝染病でカビの一種。胞子で増殖します。
困ったことにこの菌核、土壌に長期間居座ることで知られています(数年から数十年)。

切り取った葉や茎は土壌に混ぜ込んだりせず、ビニール袋などに入れ密閉して処分するようにします。

【おすすめの薬剤】
・ベンレート水和剤
カビが原因で起こる病気に幅広く効果があります。
予防と治療の両方ができる薬剤です。

長く作用しますが人間や植物、ペットには毒性が低いので安心して使用できます。

緑色のまましおれて、土の近くの茎に黒い線のような傷がある

今まで元気だった花が日中、急にしおれてしまいます。
夜間に回復しますが、最終的には立ち枯れる病気です。

病気の進行が急なので青いまま枯れてしまうことも多く、そこから青枯れ病と呼ばれています。

【発生の原因と対策】
青枯れ病は薬剤治療がほとんど効かない、植物界の不治の病といわれるほど厄介なものです。
高温期(20℃)に入りで雨が多い環境で多発するので水はけに注意することが必要です。

根から吸収された細菌が茎の中を移動しながら植物を侵し、栄養を運べなくなり立ち枯れてしまいます。

【おすすめの薬剤】
・バリダシン液剤
殺菌と治療の両方同時にできる優れた薬品です。
根から吸収された薬剤が茎の中を通るときに細菌を殺菌、増殖を阻害します。

 

病気になる前にできること

元気に咲き誇るマリーゴールド

病気は一度かかると株も弱りますし、進行すると枯れてしまいます。
もしほかの植物と混植していたら、その草花にまで影響が出てしまうことも。

そのためにできることはまずは予防です。

●水をやりすぎない
マリーゴールドは乾燥気味に育てることで病気に負けない強い株に育ちます。

●風通しを良くする
蒸れや過湿は多くの病気の原因になります。
株が込み合った場合は古い枝などを整理することが大切です。

●土を定期的に消毒、入れ替えをする
マリーゴールドがかかる病気の多くが、土壌由来のカビ菌が原因になっています。
これを防ぐには土の消毒はもちろんですが、定期的に新しい土と入れ替えることで発症率をぐんと下げることができます。

病気に強いマリーゴールドだからこそ、予防をすればより元気な株になりますし、万が一病気が発生した場合でも早期発見、早期対策をすることでその丈夫さから早く回復します。

あなたのマリーゴールドが病気知らずで、たくさんの花を咲かせますように。

 

また、今回は症状別でご紹介しましたが、
マリーゴールドの害虫や病気を一覧で知りたい方は下記をご覧ください。

⇒ マリーゴールドが枯れる原因まとめ!枯らさないための対策とは