桜の病気・害虫駆除まとめ!原因と症状、それぞれの対策法は?

桜の花

桜は40種類余りの病害虫を発生します。

でも、安心してください。

桜の品種によって発生する病害虫が異なり、
一つの木に発生するのは2〜3種類とされています。

案外、思っているよりも病害虫の少ない樹木ということになります。

では、実際にどんな病害虫が発生するのかみてみましょう。

桜の病気・症状・原因・対策の方法

桜の花の害虫駆除

膏薬病(コウヤクビョウ)

  • 症状
    枝に膏薬を貼ったようにカビが生える。
  • 原因
    風通しが悪い。日当りが良く無い。
    カイガラムシの分泌物を養分として生育する。
  • 対策
    被害箇所をナイフなどで削り落とします。
    傷口には殺菌剤入りの癒合剤を塗って保護する。
    トップジンMペーストなど。

こぶ病

  • 症状
    幹や枝に表面に亀裂が入ったコブを作り年々大きくなる。
    多数のこぶができた場合、生育不良となる。
    被害が大きくなると枯れることもある。
  • 原因
    こぶのできた木や枝が折れたりすると、病原細菌が土壌に混入。
    その病原細菌が雨などで土とともに跳ね上がり、幹や枝に付着し傷口などから侵入し増殖する。
  • 対策
    発病した樹が近くにあると感染しやすいため、発病樹は移植するなどする。
    枝を切ったりして傷ができた場合は、トップジンMペーストなどを塗っておく。

せん孔褐斑病

桜の病害虫イメージ

  • 症状
    葉に1〜5㎜の褐色の斑点ができ、その後中央に穴があく。
  • 原因
    糸状菌による病気。
    病原菌は葉などに付着し栄養分を吸収しどんどん増殖する。
  • 対策
    発病した葉や枝を切除し焼却するか、土を1mほど掘り埋める。

根頭かんしゅ病

  • 症状
    地際の幹や根に大きなこぶができ、年々大きくなる。
    生育に悪影響を及ぼす。
  • 原因
    土壌の細菌が原因
  • 対策
    発生したら株ごと抜き取り、土も掘り取り除いて焼却する。

幹心材腐朽病

  • 症状
    幹の表面から腐敗し中央部分へと進行する。
    幹や枝が筋の入ったように腐れて枯れ、キノコが生える。
  • 原因
    糸状菌による病気。
    枝などを切り取ったところから腐れたり、幹の表面がザラザラになって腐れる。
  • 対策
    腐って倒れた木や切り株は病原菌の巣になるので焼却する。
    枝などを切った際は、切り口にトップジンMペーストなどの薬剤を塗って保護する。

    糸状菌は多湿を好むので、枝や葉を剪定し風通しよくしておく。

幼果菌核病

桜の病害虫のイメージ

  • 症状
    新梢部分が褐色に変わり枯れる。
  • 原因
    糸状菌による病気。
    雨や風に乗って飛散し伝染する。
    樹木が弱ったところから菌が侵入する。
  • 対策
    空気の湿度が高いのを好むので、風通しが良いように密植しないようにする。
    排水不良にならないように注意し改善する。

    発病初期にトップジンM水和剤展着剤を加えて薬剤を丁寧に散布する。

てんぐ巣病

  • 症状
    枝の一部が膨らみ、その部分からほうきのように枝が多数発生する。
    その枝には花が咲かない。
    放置すると、株の生育が弱まる。
  • 原因
    糸状菌による病気。
    風や雨によって飛散し伝染する。
  • 対策
    被害の起こった枝を切り取り焼却する。
    ほうき状に枝が出ているこぶの部分から病変部を切除し、傷口にはトップジンMペーストなどを塗っておく。

桜の害虫・症状・対策や駆除の方法

毛虫類

 桜の病害虫 毛虫
  • アメリカシロヒトリ
  • イラガ
  • ウスバツバメ
  • オビカレハ
  • ヒロへリアオイラガ
  • モンクロシャチホコ
  • 被害の症状
    毛虫が集団で葉を食害する。
    ひどい時には、丸裸になってしまう。
    毛虫には毒を持っているものもあるので、触れないように注意します。
  • 発生時期
    3月〜11月ごろ。
    種類により異なります。
  • 生態など
    成虫の蛾が葉の裏などに卵を産み付ける。
    卵の状態で越冬し孵化し葉を食害する。
  • 害虫対策と駆除方法
    早期発見で見つけ次第、枝や葉を切り取ります。
    孵化したばかりのものは薬剤がよく効きます。
    よく観察して発生初期にオルトラン水和剤展着剤を加えた薬剤などを散布し駆除します。

カイガラムシ類

桜の病害虫 カイガラムシ

  • ウメシロカイガラムシ(体長2〜3㎜ 円盤状)
  • クワコナカイガラムシ(体長3〜5㎜ わらじ状)
  • 被害の症状
    枝や幹に、白色の虫が寄生し多発すると枝が真っ白になる。
  • 発生時期
    幼虫は5〜7月に発生し、一年中姿を見る。
  • 生態など
    枝や葉の組織内に口吻(くちさき)を突き刺して汁を吸う。
  • 害虫対策と駆除方法
    枝や幹についたカイガラムシを歯ブラシなどでこそげ落とす。

    5〜7月に孵化したばかりの幼虫には薬剤散布が効果的です。
    オルトラン水和剤に展化剤を加えて散布しましょう。

    成虫が冬眠している冬には、マシン油乳剤などを散布すると発生を抑えることができる。

    茂り過ぎた葉も剪定し、風通しの良い状態を保つことも大切です。

イモムシ・アオムシ類

 桜の病害虫 アオムシ
  • コスカシバ
  • サクラヒラタハバチ
  • チャバネフユエダシャク
  • 被害の症状
    葉を食害する。
  • 発生時期
    春から秋にかけて1年に2〜3回発生。
    5〜6月に多く発生しやすい。
  • 生態など
    卵や蛹の状態で越冬。
    春に孵化して幼虫になる。
  • 害虫対策と駆除方法
    虫自体は大きいので、見つけ次第捕殺する。

アブラムシ類

 桜の病害虫 アブラムシ
  • サクラコブアブラムシ
  • ササキコブアブラムシ
  • ヤマトコブアブラムシ
  • 症状
    葉の表面にこぶのような膨らみが現れたり、葉が縮れたりする。
    葉や茎、枝などに群棲し吸汁することで、植物の成長を阻害する。
  • 発生時期
    3〜10月の間。
    4月〜6月、9〜10月に多発する。
  • 生態など
    新芽の隙間などで越冬し、春に孵化。
    孵化した幼虫は葉に寄生し吸汁し葉の中で幼虫を産む。
    7月ごろに翅の生えた成虫がこぶの中から出てくる。
  • 害虫対策と駆除方法
    ササキコブアブラムシの虫こぶは大きいので、見つけ次第切り取る。

    虫こぶができる前にオルトランなどの薬剤散布すると効果的。

 

桜の病害虫のまとめ

桜の病害虫 イメージ

桜は害虫の多い樹木と言われていますが、桜の種類により病害虫が違い、
一つの木には2〜3種類の病害虫が発生する程度とされています。

育てている桜にはどの害虫がつきやすいのかよく観察して、対策をしましょう。

どの病気も害虫も発生初期に取り除いたり、薬剤散布することで防げます。

日当たりと風通しの良い場所に植えることもとても大切です。

桜の花をキレイに咲かせてくださいね。