日本人にとって馴染み深い桜は、
冬の終わりと春の訪れを知らせてくれる花木です。
満開の頃には、町のいたるところで鑑賞されており
不動の人気を誇る植物のひとつでしょう。
そんな桜ですが、その挿し木は難しく失敗することもしばしば。
そこで今回は桜の挿し木方法について
時期やコツなどをふまえてご紹介します!
目次
桜の挿し木について
桜の挿し木は難しいとされています。
それは他の植物に比べ、挿し木をしても
発根が悪く枯れてしまうためです。
桜を増やす場合は一般的に接ぎ木で
行われているのでその難しさが感じ取れますね。
しかし接ぎ木は台木を用意しないといけない為、
時間も手間もかかります。
そこで挿し穂と挿し床さえあればできる挿し木は、
手軽に行えることから特に自宅などで作業する人に
有効な方法となっています。
挿し木は品種によって発根のしやすさが変わってきますが、
日本で主流のソメイヨシノやヤマザクラは成功率が
比較的高いそうなので初めて挿し木を行う人にはお勧めです。
桜の挿し木方法
それでは早速挿し木の方法をご紹介していきます。
後にご紹介する注意点やコツも踏まえて
丁寧に作業していきましょう。
挿し木の時期
桜の挿し木に適した時期は年に2度あります。
3月の前年枝挿しと、6月の緑枝挿しです。
発根率は緑枝挿しの方が高いと言われています。
しかし緑枝挿しの場合、使用する挿し穂が
手に入り辛い場合もあるので注意しましょう。
挿し穂の準備
- 枝挿し
前年に伸びた花芽の無い少し太めの枝を使用し、
芽が膨らむ直前の時期に挿し木を行いましょう。
- 緑枝挿し
その年に伸びた枝で成長が止まり、
中が固まった緑色の枝で挿し木を行います。
上部の葉を2枚残し、他の葉は切り落とします。
残した葉は1/2~1/3ほど残るようにカットすると
水揚げが良くなります。
※挿し穂はそれぞれ10㎝前後のものを用意し、
切り口は斜めにカットしてください。
用意するもの
- 育苗ポット
- 土(赤玉土)
- 発根促進剤
- 挿し穂
- 鉢(最終的に鉢へ植え付ける場合のみ)
挿し木の手順
- 育苗ポットに上から5㎝程度まで土を入れておく。
- 挿し穂の下部を2~3時間ほど水につけて水揚げをする。
- 水揚げ後、下部に発根促進剤を付ける。
- 枝を5㎝程度、育苗ポットに植え付ける。
- 水をたっぷり与える。
- 発根後、半年ほどして株がしっかり育っていれば
鉢などに植え付ける。
挿し木のコツや注意点は?
- 挿し木で最も注意したいのは乾燥です。
乾燥することで発根率はガクッと落ちてしまいます。
水やりは小まめに行いましょう。 - 日光が大好きな桜ですが、発根するまでは直射日光は避けましょう。
朝日をたっぷり浴びせたら、午後には室内に入れるなど
西日が当たらないようにしましょう。 - 親株から挿し穂を切り取る場合、切り取る場所に注意してください。
お勧めは親株から直接出ている枝です。
この枝は他の枝の栄養を親株から直接横取りしてしまうため、
不必要な枝なので切り取っても親株を痛めることがありません。
しかしあまり根元に近いと、接ぎ木をした桜の場合、
根元は桜ではないことがあるので注意が必要です。
また緑枝挿しの場合は親株のできるだけ上から切り取るようにすると
ちょうどいい枝を見つけることができるでしょう。
ペットボトルを使って挿し木をしよう!
育苗ポットや鉢を用意するのが手間な場合
お勧めなのがペットボトルを使った挿し木です!
ペットボトルはどこでも手に入りやすく、
丈夫で耐水性も高いので挿し木のポットにはぴったりなんですよ。
挿し木にペットボトルを使用する場合のコツを
ご紹介するので是非試してみてくださいね。
ペットボトルでポットを作ろう
まずは育苗ポットをペットボトルで作りましょう!
- 手順
- ペットボトルを半分にカットする。
※切り口でけがをしないように注意しましょう。 - カットしたペットボトルの底に桐などで数か所穴をあける。
※水抜き用 - 上記の挿し木の手順通り挿し木の作業を行う。
- 最後にカットしたペットボトルの上部を下部と合わせて
ガムテープなどでくっつけて密閉する。
密閉することで乾燥などを防ぐことができるので、
ペットボトル挿し木の場合は密閉させましょう。
まとめ
いかがでしたか?
成功率の低い桜の挿し木ですが、
手順はさほど難しいものではありません。
丁寧に作業していくことで成功率はグッと上がるので
諦めずに作業しましょう。
慣れてきたら挿し木から大きくなった枝から
更に挿し木するなど、どんどん増やしてみてくださいね!