インテリアプランツとしても人気の高いウンベラータですが
ある日葉が変色していたり、穴が開いたりと傷ついてることがありませんか?
それは油断して放置していると回復できないほど傷つきやがて枯れてしまう
病害虫の仕業かもしれません。
症状をしっかり確認して適切な処置をすればすぐに回復して
元気な姿を見ることができるので、まずは原因や対策方法を
確認していきましょう!
目次
ウンベラータについて
学名:Ficus umbellata
科・属名:クワ科・フィカス属
英名:Umbellata
原産地:熱帯アフリカ
ウンベラータに合わない環境で育てていると、
葉っぱが黄色く変色して枯れることがあります。
このような場合、根に問題があることもありますが中には
病害虫が原因になることがあります、
ウンベラータは特別病害虫の被害にあいやすいわけではありません。
栽培環境によって病害虫を引き起こし被害は拡大していきます。
それではどのような場合、病害虫が発生していくのか
またその対策などを次にご紹介していきましょう。
ウンベラータと害虫
害虫はもっとも植物に害をもたらしやすい元凶の一つです。
害虫の付いた原因や症状を確認して適切に対処しましょう。
アブラムシ
梅雨などそもそも湿っぽい時期、
風通しが悪く湿気が高くなる置き場所などでは、
アブラムシがよってきます。
葉がベタベタしてきたらアブラムシ仕業かもしれません。
幼虫なら、殺虫剤をまいて退治できます。
アブラムシ類
- 発生しやすい種類:ほとんどの種類
- 被害の見分け方:葉の奇形、新芽が伸びない。
モザイク病を媒介したりスス病を併発する。 - 発生時期:4~6月、9~10月
- 有効な薬剤:スミチオン乳剤、オルトラマン水和剤、アドマイヤー水和剤、マラソン乳剤等
- その他の防除法:株が痛まない程度の勢いのある水で弾き飛ばす。
濡らした布や紙で拭き取る。
カイガラムシ
アブラムシと同じく湿った場所を好みます。
土が長い間湿っている場合にも発生しやすいです。
また症状もアブラムシと似ていて、
葉がベタついてきたらカイガラムシを
疑いましょう。
カイガラムシは成虫になると殻にこもって
殺虫剤が効かなくなるので、
使い捨ての歯ブラシなどでこすり落としましょう。
発生したら一斉に退治することがポイントです。
カイガラムシ類
- 発生しやすい種類:ほとんどの種類(風通しが悪いと多発する)
- 被害の見分け方:茎や枝、葉にくっついて汁を吸うので、
枯れたり芽が伸びなくなる。ベトついてスス病を併発 - 発生時期:春から秋
- 有効な薬剤:スプラサイド乳剤、アクテリック乳剤
- その他の防除法:固い殻やロウ物質で覆われていて薬剤が効き難いので、
歯ブラシ等で擦り落とすか、爪楊枝等で刺して捕殺する。
効果の高い5~9月の幼虫期に薬剤を散布する。
ハダニ
乾燥した環境を好んで寄ってくるのがハダニです。
ウンベラータの葉や茎に住みつき、養分を吸って葉を弱らせます。
ハダニは体長2〜3mmで、葉の裏などに小さな白い無数の斑点や、
かすり傷を見つけたらハダニの被害かもしれません。
また葉裏が汚くなったり、新しい葉が黄色く
変色してしまうのもハダニの被害と考えられるでしょう。
被害を見つけたら、殺虫剤を散布して退治してください。
ハダニは水分が苦手で、霧吹きを定期的に吹きかけておけば予防になります。
被害がすすんだ葉っぱはその部分だけ切り取るか、
見た目が悪くなるなら葉が生えている元から切って処分してください。
風によって飛散され、葉に付着することが多いハダニですが、
越冬する個体もいるようです。
発生初期には少数でも、繁殖力が高いので、
短期間で恐ろしいほど増殖します。
ハダニ類
- 発生しやすい種類:ほとんどの種類(高温乾燥状態で多発する)
- 被害の見分け方:葉の裏について汁を吸うので白くカスリ状になる。
- 発生時期:春から秋
- 有効な薬剤:エイカロール、ケルセン
- その他の防除法:こまめに葉水をかける。
クモの巣状の網を張って保湿するか、雨に当てる。
濡らした布や紙で拭き取る。
ウンベラータの病気
植物の病気には完全な治療方法がありません。
しかし被害の拡大を抑えることで株自体を回復させたり
日頃の予防をしっかりすることで病気を避けることができます。
対処と予防方法をチェックして管理しましょう。
すす病
アブラムシやカイガラムシを放置していると
「すす病」が発生する場合があります。
すす病は枝や葉がすすで覆われたように黒く変色してしまいます。
アブラムシやカイガラムシの排泄物にひかれて菌が寄ってきます。
すす病になるとただ見た目が悪くなるだけでなく、
光合成ができなくなってウンベラータが衰弱しやすくなります。
すす病にかかっている部分を見つけたら、殺虫殺菌剤を散布するのと、
近くにアブラムシやカイガラムシがいないか確認し、
それらも退治しましょう。
うどんこ病
葉っぱに白い点々が現れたときは、
うどんこ病という病気にかかっているかもしれません。
葉や茎の部分に“うどん粉”のような
糸状菌(カビ)が発生する、うどんこ病。
カビがウンベラータの組織にまで伸びると
栄養を吸収してしまいます。
また白い粉が葉にかかるので光合成も阻害されてしまい、
生育不良になったり、葉がしなびるなど枯れる原因にもなります。
うどんこ病は植物の葉や茎など、
表面でしか繁殖しないため、初期に発見し対処することが重要です。
害虫や白い点々を発見したらすぐに殺ダニ剤や
殺虫殺菌剤を散布するか、直接捕まえて退治するのが
被害を広めないポイントです。
うどんこ病は、初期段階であれば重曹などを
溶かした水を吹きかけ、自然治癒を待ちましょう。
自然治癒できない場合は、被害を広げないために
農薬や殺菌剤で菌を退治してください。
ウドンコ病
- 発生しやすい種類:ベゴニア、カランコエ 他(高温乾燥期に多発)
- 被害の見分け方:粉をまぶした様な白い斑点が発生。
ひどくなると茶色くなり枯れる。 - 発生時期:6~10月
- 有効な薬剤:ミネラシン水和剤、モレスタン水和剤、サンヨール
- その他の防除法:患部を切除し、まめに葉水を与えて保湿する。
窒素肥料を与えて発生を抑える。
ウンベラータを病害虫から守ろう!
- 水を与えて乾燥を防ぐ
ウンベラータが被害にあいやすい病気や害虫は、
乾燥した状態や過湿の土壌を好みます。
葉や茎に水を与え乾燥を防ぐことで、
病気や害虫の予防につながるため、
定期的に霧吹きで葉水を与えましょう。
ハダニは水に弱いので、繁殖しやすい葉裏にも葉水を与え、
葉が汚れていたら濡れた布などで拭くのもおすすめです。
葉水は毎日与えるべきですが、根への水やりは
土が乾燥してからおこないましょう。
- 日当たりと風通しのよい場所に置く
日当たりと風通しが悪いとウンベラータに
病気やカイガラムシなどの害虫がつきやすくなります。
天気がよい日にはウンベラータを日当たりと
風通しのよい場所に移動させてあげましょう。
もし病害虫の被害にあったら注意すること
どんなに注意をしていても病害虫の被害に
あってしまうことはあります。
完全な予防はまず不可能と言えるでしょう。
もし病害虫の被害にあってしまったら?
注意したいポイントをご紹介します。
できるだけ早く対処する
病害虫の被害に合ったとき最も重要といえるのが
「早急に対処をする」です。
当たり前と思うかもしれませんがこれがとても大事なんです。
葉の色がおかしい、ウンベラータの様子がなんとなく変など
気づいても大きな変化がみられないことから
ついつい放置しがちになってしまいます。
しかし誰の目に見ても明らかなほどの症状が
出ている頃にはもうウンベラータには大きな被害が及んでいます。
なにかおかしいと感じたときは、
まずしっかりとウンベラータを観察して
病害虫に侵されていないか確認しましょう。
そして原因が分かったら即座に対処することで
回復も早くなり後遺症も残りません。
ウンベラータの治療方法で最も効果的なのは
「早急に対処すること」なんですよ。
害虫が少量発生した場合
予防のかいなく害虫や病気の被害にあって
気づくのが遅れた場合、まず被害にあった部分を
切り取って、病気にかかって落ちた葉を回収しましょう。
被害が進行した部分が回復することはほぼありません。
二次被害や他の植物への感染を防ぐための行動が大切です。
その後、殺虫剤などで予防をしながら、早期発見するために、
毎日ウンベラータの葉や土を観察する習慣をつけましょう。
害虫が大量発生した場合
害虫が大量発生した場合は被害にあった部位を
処理するだけでなく、スプレータイプや
液体タイプの殺虫殺菌剤か、殺虫剤で鉢をまるごと殺菌します。
鉢全体にスプレーを吹きかけ、液体タイプの殺虫剤を
薄めたバケツの中に植木鉢を沈め、
害虫を退治するのと合わせて土全体も殺菌してください。
鉢をバケツから取り出して水をきり、
さらに錠剤や粒タイプの殺虫剤をまいて予防に努めます。
清潔にして病気の拡大を防ぐ
病気や害虫の被害が拡大した場合は、
変色した葉を切り取り、落ちた葉を取り除き、
清潔な環境を保つようにします。
病気になった葉が回復することはないので、
病気が広がるのを防ぐことを第一に考えてください。
最初は少量でも世代交代が
恐ろしく早いので、短期間で増殖します。
また退治しても葉に被害跡は残ります。
まとめ
ウンベラータの病害虫は日頃の管理や
予防でかなり防ぐことができます。
しかし必ずしも被害にあわないというわけではない
ことを覚えておきましょう。
そして日頃から定期的にウンベラータをよく観察して
早急に適切な対処を行うようにしましょう。