梅の病気・害虫対策まとめ!枯れる前に確認すべき対処法!

白い梅の花       

春の到来を知らせてくれる梅の木。

梅の木のかかりやすい病気や害虫ってどんなのがあるのでしょう。

病気や害虫が出たときにどうすれば良いのか、対処方法などを調べてまとめました。

梅の木を枯らさないように、「様子がおかしいな」と思ったら、
何が原因なのかよく観察してきちんと対処しましょう。

梅の病気 

ガーデニングする女性のイメージ

黒星病

注意する時期:4〜5月

(症状)

  • 果実の被害は5月上旬から。緑黒色の円形の小さな斑点が生じる。
    見かけは良くないですが、食味への影響はありません。
  • 新梢には6月以降、淡褐色で円形の病斑が生じる。

(予防と対策)

  • 12月に石灰硫黄合剤の7〜10倍液を枝の先から幹までたっぷりと散布する。
    このとき展着材を混ぜると良い。
  • 4月下旬から6月上旬までに、トップジンM水和剤の1000〜1500倍液、
    ベンレート水和剤2000倍などを2〜3回散布する。

潰瘍病

注意する時期:4〜6月

この病気は風雨によって伝染しますので、風当たりの強いところに植えないようにしましょう。

(症状)

  • 葉、果実、枝、幹と木全体を侵す病気です。
  • 果実の表面に黒褐色で周囲が赤紫色の病斑が発生し、病状が進むと中心に亀裂が乗じる。
    枝にも緑褐色のシミができ、紅褐色へと変化し大きくへこむ。

 

(予防と対策)

  • 病気にかかった枝は取り除きます。
  • これといった効果がある薬剤がない。
  • 12月〜1月の休眠期に石灰硫黄合剤を薄めたものを予防に散布します。

縮葉病

注意する時期:4〜5月

豊後などの一部の品種のみに発生する。

(症状)

  • 新芽が伸びる時に葉が縮んで膨らむ病気

(予防と対策)

  • 12月に石灰硫黄合剤を散布。
  • 3月にベンレート水和剤を散布。

うどん粉病

注意する時期:6月

(症状)

  • 新芽や若葉、若い茎などに小麦粉を振りかけたような白いカビが発生
  • ひどくなると枯れてしまうので注意しましょう。

(予防と対策)

  • 窒素肥料が多くカリ成分が少ないと発生しやすいので窒素過多にならないようにします。
  • 薬剤はトップジンM水和剤を1500倍に薄めたものか、ベンレート水和剤2000倍を散布します。

害虫、病気の薬剤のイメージ

すす病

注意する時期:7月

(症状)

  • 葉、枝、幹の表面がすすで覆われたように黒いカビが生える病気

(予防と対策)

  • トップジンM水和剤を散布する。
  • アブラムシやカイガラムシ、コナジラミなどの吸汁害虫の排泄物などを栄養として繁殖しますので、
    それらの虫をオルトラン水和剤、スミチオン乳剤で駆除することが大切です。

根頭がん腫病

注意する時期:7月

(症状)

  • 根と幹の境目や地際部などにこぶができる病気
  • 土壌中の細菌が根の傷から侵入することで発病する。

(予防と対策)

  • 根本的な治療法はない
  • この病気が発生したら、その株は抜き取り焼却します。
  • 植えてあった場所の土は土壌消毒するか入れ替える。

葉炭そ病

注意する時期:9月

(症状)

  • 葉の先端や縁から半円形状に枯れていきます

(予防と対策)

  • 予防として、風通しが悪いと発生しやすくなるので、混み合った葉は剪定します。
  • 病気が発生したら、早めに病変した部分を切り取り、焼却処分にする。
  • 使用薬剤は、トップジンMゾル水和剤、ダニコール1000などを1週間おきに2〜3回散布します。

 

梅の害虫

害虫イメージ

コスカシバ

注意する時期:(幼虫)3〜10月

(被害の症状)

  • 幼虫の体長は25㎜。成虫は蛾。羽は蜂類のように透明なのが特徴。
  • コスカシバの食入による傷あとが原因で、胴枯病や樹脂病を併発し樹が弱り、枯れることがあります。

 

(予防と対策)

  • 幹からヤニや褐色の虫糞が出ているのが目印となり、その部分の樹皮をめくると乳白色の幼虫がいます。
    幼虫を掘り出したり、上から木づちなどで軽く叩くなどします。
  • 6〜9月にスミチオン乳剤などの濃厚液(200〜300倍)のものを数回しっかりと散布する。

アブラムシ

  • スモモオマルアブラムシ
  • モモアカアブラムシ
  • ウメクビレアブラムシ
  • オカボモアブラムシ

 

注意する時期:4〜5月

(被害の症状)

  • 春、新葉の裏側に群生し加害。葉を裏側に巻き込む
    枝の伸びが悪くなり、花芽の形成に影響する。

 

(予防と対策)

  • 早春にオルトラン、スミチオンなどの乳剤の1000〜1500倍に薄めたものを丁寧に散布する。

ウメスカシクロハ(アカハラ)

害虫イメージ

注意する時期:3〜7月

(被害の症状)

  • 老熟幼虫は黒褐色で2㎝、刺毛があり触れると痛みを伴う。触らないように注意しましょう。
    腹面が赤いのでアカハラと呼ばれます。
  • 葉芽が膨らむ頃より食害が始まり、多発するとかなりの被害になり芽が出ない状態になります。

 

(予防と対策)

  • 防除はオルトラン、スミチオン乳剤の1000〜1500倍液を芽、枝幹の隅々まで散布する。

ウメケムシ

注意する時期:4〜5月

(被害と症状)

  • オビカレハの幼虫。枝の分岐部に天幕状の巣を作り、その内部に毛虫が群生する。
    夜間に時々出てきて新芽や葉を食害する。

(予防と対策)

  • 巣ごと取り除き処分する
  • 剪定のときに枝に産み付けられた卵を捕殺する。
  • 薬剤はスミチオン乳剤の1000倍液をたっぷりと散布する。

カイガラムシ

  • ウメシロカイガラムシ
    白色〜灰色のカイガラムシ
    雌の成虫の体長は約2.5㎜、雄は約1㎜。
  • タマカタカイガラムシ
    赤褐色で艶のある球形のカイガラムシ
    雌の成虫は4〜5㎜。

 

注意する時期:5、7、11月 予防は12月

(被害と症状)

  • 枝や幹にカイガラムシがびっしりと寄生し、枯れてしまうことがある。
  • カイガラムシがこうやく病を誘発するので注意が必要。

 

(予防と対策)

ウメシロカイガラムシ

  • 12月に石灰硫黄合剤を散布。
  • 実収穫が終わった後、幼虫が発生する7月中旬〜9月中旬に、スミチオン乳剤1000倍液を1〜2回散布します。
  • 11月に多発した場合は、マシン油乳剤6%液を発生している枝に散布。

 

タマカタカイガラムシ

  • 成虫をブラシなどでこそげ落とす。
  • 6月中旬にスミチオン乳剤アプロード水和剤1000倍液を果実の収穫後に散布する。
  • 多発した場合は、12〜1月にマシン油乳剤(95%)の60〜70倍液を散布。

ナシヒメシンクイ

注意する時期:5〜6月

(被害と症状)

  • 橙黄色の幼虫。
  • シンクイムシの一種で新梢の先端に虫が入り折れ曲がり「芯折れ」の状態になる。
  • 幼木や苗木の場合は問題ですが、成木では問題ありません。
  • 果実への食入被害もある。

 

(予防と対策)

  • 暖地での被害が多い。
  • 縮れた新梢は切り取り処分する。
  • 定期的にスミチオン乳剤の1000倍液を散布する。
  • 冬の間に越冬場所になる枝の分岐部を綺麗に掃除するなどしておくと良い。

ミダレカクモンハマキムシ

注意する時期:6月

(被害と症状)

  • 老熟幼虫は淡緑色で長さが22㎜。
  • 幼虫が数枚の葉を綴り合わせて食害する。

 

(予防と対策)

  • 発生初期にスミチオン乳剤1000倍液を散布する。

コウモリガ

注意する時期:6月

(被害と症状)

  • 老熟幼虫は体長8㎝、頭部が褐色でどう部分は黄白色。
  • 幼虫が枝や幹に食入し、加害する。幼木では枯れてしまうこともある。

 

(予防と対策)

  • 卵は地表面で越冬するため木の根元の草などを取り除いて風通しを良くするとよい。
  • 樹の中に入っている幼虫駆除は、食入口からスミチオン乳剤の300〜500倍液を少量注入し、
    粘土などで蓋をする。

イラガ

梅の害虫 毛虫のイメージ

注意する時期:6月

(被害と症状)

  • 数種類のイラガが食害。被害は長期間に及ぶので注意する。

(予防と対策)

  • 発生が少ない時は箸などでつまんで捕殺する。幼虫のトゲには強い毒があるので触れないようにする。
  • 薬剤はスミチオン乳剤ディプテレックス液の1000〜1500倍液を散布する。

毛虫に刺された女の子の絵

モンクロシャチホコガ

注意する時期:8〜9月

(被害と症状)

  • 老熟幼虫は、長さ5㎝、黒紫色。若齢幼虫は紅褐色。
  • 9月頃に多発し、短期間に葉を食い尽くしてしまいます
  • 樹を衰弱させて花芽も食べるので翌年の開花にも影響する。

(予防と対策)

  • 8月頃に葉裏に卵塊を産み付けるので見つけ次第捕殺します。
  • 多発した時は、虫のいるところにスミチオン乳剤かディプテレックスの1000倍液を散布する。

 

梅が枯れる前に確認する対処方法

白い梅の花

鉢植えの梅が枯れたかな?と思った時に植え替えてみましょう。

  1. 鉢から梅の木を抜き取ります。
  2. 抜き取った梅の木の根を竹串などで上から下へと丁寧にすくと、ダメになった根が取れます。
    残った根っこはまだ生きているので切らないようにしましょう。
  3. 梅の木をたっぷりの水に浸けて半日ほど置く。
  4. 新しく用意した鉢に軽石を鉢の3分の1入れ、更に新しい土を軽く入れてから梅の木の根を広げて置く。
  5. その上に土を入れ植えつけます。
  6. たっぷりと水やりをして明るい日陰に置き様子をみます。
  7. うまくいけば復活します。

 

梅の木が枯れたと思ったら?

枝の先の方を少し切ってみましょう。木の芯が緑色をしていなくて茶褐色になっていると枯死しています。

枝が枯れてしまっていたら、幹も同じように切ってみて芯の状態が緑色ならまだ大丈夫です。

 

 

梅の病害虫のまとめ

梅の実

梅の木は日本の風土に合っているので病害虫にも比較的強いです。

そうはいっても、幼木や弱った木などが病気や害虫に負けてしまうこともありますので、
良く観察しておかしいな?と思ったら早めに対策をしましょう。

 

薬剤はスミチオン乳剤がほとんどの病害虫に効果がありますので、これを上手に使うと良いと思います。

あとは、石灰硫黄合剤、ベンレート水和剤、トップジンM水和剤、ダニコールなどの薬剤を揃えておくと梅の木以外の樹木にも使えますね。

 

それでは、梅を上手に育てて花も果実も楽しみましょう。