身近な植物、朝顔のタネには毒がある?

私たちにとって馴染みのある園芸品種、朝顔。

小学校の頃、種まきして育てた経験がある方も多いと思います。

様々な色や形の朝顔があり、種から育てるのも比較的簡単、
成長も早く大きく育つので、日差しを防ぐ緑のカーテンにしたり、
夏らしい雰囲気を感じさせる大変ポピュラーで人気のある花です。

種を取るのも簡単なので、来年の種まきのために朝顔の種を収穫して
保存している方も多いのではないでしょうか。

しかしこの朝顔の種には毒があるのをご存知ですか?

  朝顔 

朝顔の種は強い下痢、腹痛、嘔吐を引き起こします

小さく黒い朝顔の種ですが、割ってみると黒くて硬い表皮の中には白っぽい種が入っています。
そこに含まれる主な成分であるファルビチンは、峻下剤と呼ばれ、
即効性があり、摂取するとすぐに非常に激しい下痢を起こす作用があります。

時には水のような便になったり、血が混じるような下痢を引き起こします。

下痢以外にも

  • 神経症状
  • 血尿
  • 大便に粘血
  • 激烈な腹痛
  • 嘔吐
  • 血圧低下

などの症状が起きることがあります。

少しの量でもひどい下痢に!

下痢

大人でも種を粉末にしたものを0.5gほど摂取しただけですぐに下痢になるそうです。

収穫したばかりの種でも、時間をおいた古い種でも成分はほとんど変わりません。
種まき用に保存するときは朝顔の種だとわかるようにして、
特に子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。

 

朝顔の生薬としての歴史

古い書物や和歌、現代では子どもの絵本などにも登場することが多い
昔から馴染みの深い朝顔ですが、原産は日本ではありません。

現代では夏に美しい花を咲かせる園芸種として栽培されていますが、
古くは中国で薬草として珍重されていたものが伝わり、
様々な色や形の花を咲かせるように品種改良されたものが現在の朝顔です。

朝顔はもともと生薬として渡来しました

朝顔の種

朝顔の歴史は古く、奈良時代に遣唐使が薬として持ち帰り、
平安時代から広く薬用として使われていたと伝えられています。

江戸時代の書物には薬草として紹介されています。

生薬名は「牽牛子(けんごし)」と呼ばれて珍重され、
下剤などとして使われていました。

牽牛子という名前は、牛と朝顔の種が交換されていたということに由来し、
大変貴重な薬草だったことがわかります。

大正時代までは痰を治したり、解熱剤、通風、リウマチ、脚気などの
治療薬としても使われていました。

現在でも生薬としても使われています

現在でも朝顔の種を粉末にしたものが漢方薬などに含まれているものもあります。

生薬として使われているものは精製され、下剤成分のファルビチンが
他の成分と合わせて調合されているので、強烈な下痢を起こすわけではありません。

下剤だからといって、使う量を間違えれば体に害を及ぼします。

便秘に効くのではないかと素人判断で朝顔の種そのものを飲用たりしないようにしましょう。

 


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朝顔の茎や花には毒はないのでしょうか

身近な朝顔に毒があると知ると、育てるのが心配になる方もいるかもしれません。

花や葉など、種以外には毒はないのでしょうか?

取扱いに気をつければ、いままで通り朝顔を楽しむことができます。
では、どんなことに注意すればいいのでしょうか。

朝顔にもいくつかの種類があります

朝顔

朝顔といっても、実はたくさんの種類があります。
花の色や大きさも様々ですね。

よく花屋さんなどで売られている種は、
赤やピンク、ブルーなどの美しい花を咲かせる
ヒルガオ科日本朝顔西洋朝顔です。

どちらも種には下痢を引き起こす毒があります。

西洋朝顔の種には下痢だけでなく神経症状を起こすものもあるので注意しましょう。

ヒルガオ科の日本朝顔や西洋朝顔は、種以外には毒はありません。

葉や花に触れてしまっても大丈夫です。
種をそのまま食べてしまったり、種を砕いたものをなめてしまったりしなければ下痢を起こすことはありません。

同じ朝顔の名前を持つチョウセンアサガオ

チョウセンアサガオ(ダチュラ)

同じ朝顔の名前がついているチョウセンアサガオは、
花の見た目は朝顔に似ていますが、ナス科に属する全く別の品種です。

花の形はよく似ていますが、葉の形や大きさが違います。

チョウセンアサガオは大変美しい花を咲かせますが、
見た目と裏腹に葉や花、根など全体にアルカロイドという強い毒性
ありますので注意が必要です。

見た目もよく見かける朝顔とは違います。

日本朝顔や西洋朝顔は支柱などにツルを巻き成長しますが、
チョウセンアサガオは自立し、大きく育ちます。
葉の形も違い、花の大きさも大きめで下を向いて咲き、花びらは外に反り返っています。

よく朝顔には強い毒があると言われるのは
このチョウセンアサガオと日本朝顔や西洋朝顔を混同している場合があります。

チョウセンアサガオは、

  • ダチュラ
  • マンダラゲ
  • エンジェルズ・トランペット

などの名前で園芸種としても流通しているので、
庭に植えているものを見たことがあるかもしれません。

しかし、葉や茎、根など全てに猛毒があり、
少量でも体内に入ると、30分〜数時間程度で

  • 喉の渇き
  • ふらつき
  • 頭痛
  • 悪寒
  • 呼吸停止

などの症状が現れ、数時間から数日間症状が続きます。

庭に植えていたナス科のチョウセンアサガオをゴボウやオクラと間違えて食べてしまい
中毒症状を起こした事故も発生しています。

大変危険な植物ですので、しっかり覚えておきましょう。

 

間違って朝顔の種を食べてしまったらどうすればいい?

目を離した隙に子どもが朝顔の種を飲み込んでしまったら、すぐに病院で看てもらいましょう。
噛まずに飲み込んだ場合は症状が現れないこともあります。

症状が出ない場合は、数日後種がそのまま便と一緒に排出されることもあります。

万が一噛み砕いてしまった場合や砕いたものをなめてしまった場合は、
ファルビチンの作用で下痢を起こしてしまいますので、すぐに病院へ!

 

朝顔の種の毒には十分注意しましょう!

夏の間、涼しげな花を咲かせて私たちの目を楽しませてくれ、
生薬としても利用されている朝顔の種ですが、
非常に強烈な下痢を引き起こす成分が含まれています。

特に小さいお子さんやペットなどがいる家庭は種の収穫や保管には十分気をつけましょう。

馴染みのある植物、朝顔ですが、種を素人判断で下剤として飲用したり、誤飲したり
しないよう、種の保管や取り扱いには十分注意してください。


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