中国原産の梅が、中国から日本に到来したのは弥生時代の前期ごろと言われます。
山口県の綾羅木遺跡や兵庫県の松ヶ崎遺跡から、
当時の人々が梅を食用としていたと思われる遺物が出土しているそうです。
梅の木の増やし方は、種を蒔く、挿し木、つぎ木などがあります。
今回は、昔から愛されている梅の花の挿し木方法や、最適な時期やコツについてまとめました。
目次
梅の木を増やす3つの方法
つぎ木
穂木にする枝を1月下旬〜2月上旬にとり、
貯蔵しておいたものを3月中旬〜下旬に台木に切りつぎします。
実生
原種に近い野梅性の強健種の梅は発芽率が良いのでこの品種の梅の種を使うと良い。
梅の実をよく熟してから収穫し、果肉を綺麗に取り除きとりまきします。
または、2月中旬〜3月上旬にまきます。
さし木
休眠ざしは2月に剪定した節の間が詰まって充実した枝を使って3月に挿し木をします。
梅雨ざしは6〜7月に行います。
梅の木の挿し木の方法と最適な時期
休眠ざし
2月の上旬〜中旬に穂木の準備をします
- 挿し木として活着しやすい品種は野梅系の難波性の前年枝が良い。
- 穂木は、まだ芽の動いていない鉛筆以上の太めの枝を選ぶようにしましょう。
さし穂の調整をします
- 採取した枝を15〜20㎝に切り、さし穂の先端をよく切れるナイフなどで切り返します。
- 準備したさし穂は、3月中旬〜下旬に挿し木をするまで日陰の水はけの良い場所に埋めておくか、
少量の水ゴケか新聞紙を入れてビニール袋に入れて密閉し、5℃以下の冷蔵庫で保存する。
3月中旬〜下旬にさし木をします
土の準備
水はけの良い土を用意します。 赤玉土を使用する場合は水はけの良い中粒などを使うと良いでしょう。
(例)
- 赤玉土8割:腐葉土2割
- 赤玉土5割:腐葉土3割:桐生砂2割
- さし木用の土
挿し木の方法
- 鉢底に鹿沼土か赤玉土を鉢の4分の1まで入れ、用意した用土を鉢の縁まで入れます。
- 貯蔵しておいたさし穂を、数時間水揚げしてからさします。
(発根促進剤などを使うと良い) - 用土は湿らせておき、さし穂をさす位置に棒で穴を開けておきます。
- さし穂の長さの2分の1程度をさします。
- さし終わったら、鉢から流れ出るまでたっぷりと水をあげましょう。
さし木をした後の管理方法
- 挿し木をした鉢は、木漏れ日が当たるくらいの明るい日陰で風のあたらない場所におきます。
- 鉢をビニールで囲って湿度を保てるようにすると、活着が良くなります。
- 水やりは表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。
- 挿し木をしてから2ヶ月ほどで根が出始めます。
新芽が4〜5㎝になったら液体肥料を月2回施しましょう。 - 徐々に日に当てて慣らします。
梅雨ざし
春以降に伸びた新しい枝で挿し木をすることを梅雨ざしと言います。
- 6月〜7月に新梢を切り取ります。
- 切り取った枝を10㎝くらいに切り、葉は半分に切り取ります。
- 切り口を斜めに切り、水につけて約1時間ほど水揚げします。
- 用意した容器に土を入れて鉢縁に沿ってさします。
※用土と管理方法は休眠ざしと同じようにします。
梅の木の挿し木のコツ
- さし穂にする枝は細いものではなく、なるべく太いものを使いましょう。
- 実生1〜2年目の枝を使うと活着しやすい。
- 挿し木に向いている、野梅系・難波性のものを使うとよい。
- 土にさし穂をさす時は、切り口を傷めないように棒で穴をあけておくこと。
- 挿し木をしたら乾燥させないようにビニールで囲って湿度を保つことで活着が良くなる。
梅の木の挿し木のまとめ
挿し木には温度と湿度をしっかり管理できると成功率が上がります。
温度は20〜25℃くらいが一番良く、25℃以上になると発根率がグッと下がりますので注意しましょう。
さし穂の切り口は乾かさないようにし、たっぷりと水揚げをしてから挿し木します。
一般的に梅は挿し木をしても活着しにくいと言われています。
挿し木に向いている品種でさし穂を作って挿し木をすると良いと思います。
梅の挿し木にチャレンジしてみましょう。