ハート型の大きな葉が特徴的なウンベラータは観葉植物の中でも人気が高く、
日頃のお手入れも手軽に行えるため個人で栽培している人も多いです。
インテリアとしての需要も高く、昨今ではカフェなどでもよく見かけます。
しかしウンベラータの特性上、実は植え替えが欠かせないため
欲しいけれど躊躇っている人も多いかもしれません。
そこで今回はウンベラータの植え替えについて
時期や方法はもちろん、失敗しない為のコツや注意点をまとめてご紹介します!
目次
ウンベラータはどんな植物?
学名:Ficus umbellata
科・属名:クワ科・フィカス属(イチジク属)
英名:Umbellata
原産地:熱帯アフリカ
別名:フィカス・ウンベラータ
ウンベラータとはラテン語で「日傘」が
語源になっていると言われています。
ウンベラータの特徴の一つである大きな葉が由来です。
耐暑性や耐乾性は高いものの、耐寒性は低く、日本の冬では
しっかりと管理しないと枯れてしまいます。
成長が早く、原産地である熱帯アフリカでは5mほどにまで成長した
ウンベラータもあります。
しかし、日本で地植えで冬越しの
できないウンベラータは鉢植え栽培が主で
その為定期的な植え替えが欠かせません。
植え替えの時期
植え替えは生長期である4~7月頃に行いましょう。
特に5・6月がおすすめです。
植え替え直後は植物にとって
とてもストレスの高い状態です。
生長期を過ぎた寒い時期に行うと
植え替えのストレスから回復できず
最悪枯れてしまうことも。
その為、必ず生長期である暖かな頃に行いましょう。
植え替えのタイミング
ウンベラータは成長が早い観葉植物で、
1年で20cm伸びることもあります。
見た目ももちろんですが、
鉢の中に隠れている根も一緒に成長しています。
放っておくと鉢の中はあっという間に根でいっぱいになってしまい
「根詰まり」や「根腐れ」を起こす原因となります。
その為、ウンベラータの植え替えは
2~3年に一度行いましょう。
他にも「水をあげても吸い込まない」「鉢底から根が張り出している」
などの状態であれば植え替えの合図です。
水を上げても吸い込まないというのは、根がつまり水を吸い込めなかったり
土が古く固くなっているために根が酸欠状態なので
植え替え時期が来たら早めに植え替えましょう。
植え替えに必要なもの
- ひとまわり大きい鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- ハサミ
- スコップ
- 割りばしなど細長い棒
- 用土
- 手袋
- 新聞紙
植え替え時に土は新しいものへ変えます。
自分で配合しない場合は観葉植物用の土が便利ですよ。
作業中に土で汚れないよう新聞紙をしいておくと安心です。
またウンベラータは白い樹液が出るため、
手に付かないように必ず手袋をしてから作業しましょう。
ウンベラータの植え替え方法
- 新しい鉢に鉢底ネットと底石を敷く
底石はあらかじめ水洗いしてゴミや
汚れがないようにしてから敷くと病害虫を防ぐことができます。
2~3cm程度敷くといいでしょう。 - 新しい用土を入れる
古い土は中の養分も減っているため新しい土に替えます。
病害虫の発生を防ぐことにも繋がるため必ず新しいものを用意しましょう。
底石の上に鉢の下から約3分の1くらいの高さまで土を入れます。 - 古い鉢からウンベラータを抜く
根を傷めないように注意しながら鉢回りの土を
スコップや割りばしなどで差し込むか、
鉢を叩いて隙間を作り株を抜きやすくしましょう。
ウンベラータの根元を真っすぐ持つと、
根の重さで鉢がスムーズに抜けやすくなります。 - 土を落とし根を整える
手で軽く根をほぐしながら古い土を落としていきます。
根がきつく絡み合ったり土が固かったりしたら割り箸等で
つつきながら土を落として根をほぐします。
古くなって黒っぽい根や伸びすぎている根ははさみで切り落としましょう。
この時元気な根を傷つけないように注意しながら行ってください。 - 新しい鉢に植え替える
下から3分の1まで土を入れた新しい鉢の真ん中に、
ウンベラータの株を挿し込んで高さなどのバランスを見ます。
植えこむ位置が決まったら、株を支えたまま
根の間にも用土を入れていきます。
根元まで土を入れたら鉢を上下に軽くトントンとゆすって
土が沈み込むのを見ます。
足りなくなった部分に土を足していき、
株が安定するように入れていきましょう。
同じサイズの鉢に植え替えるには?
植え替えは通常、一回り大きな鉢に植え替えます。
ただ毎回大きな鉢に植え替えることはできないですよね。
特に置き場所の関係でこれ以上大きく育てたくない場合は、
同じサイズの鉢に植え替えることもできますよ。
同じサイズの鉢を用意するか、同じ鉢をそのまま使用しすることもできます。
植え替え方は概ね上記で説明した通常の手順と一緒ですが、
同じ大きさの鉢に植え替える場合は鉢を大きくしない代わりに
根を小さくして植え替えます。
根を小さくすることで鉢の中で根が生長するスペースを確保します。
鉢からウンベラータを取り出したあと、
根と枝をそれぞれ「1/3~1/2」ほどカットしてください。
「根」と「枝や葉」の数や大きさのバランスが崩れると
植え替え後に枯れてしまうので、根を切ったら同じだけ
「枝や葉」を切る必要があります。
植え替えの注意点など
- ウンベラータはゴムの木の仲間なので
枝や葉が傷つくと、傷口から白い樹液がでます。
これはゴムの木特有の樹液で触ってはいけません。
直接触れると肌がかぶれることがあるので注意してください。 - ウンベラータを鉢から出した際、
黒く変色した根は必ず切り落としましょう。
傷んだ根は治らないため、元気な根に影響する前に処理することが大切です。 - 植え替えと同時に剪定を行うといいでしょう。
適した時期も同じなので同時に行うことで手間も省くことができます。 - 用意する鉢は”同じサイズ”または”ひとまわり大きなもの”にしましょう。
必要以上に大きい鉢に植え替えると、吸い上げる水の量が少なくなり、
鉢土がなかなか乾きません。
そのため根腐れを起こしてしまいます。
植え替え後のお手入れはどうする?
まず植え替え後1~2週間ほどは
「直射日光など日当たりのよい場所に置かない」「肥料を与えない」
ようにすると植え傷みの回復が促進されます。
置き場所は明るい日陰であれば問題ありませんが
直射日光は避けましょう。
更に肥料は絶対にあげないようにしましょう。
回復していない状態で肥料を与えると栄養を吸収しきれず
肥料焼けを起こすこともあります。
また植え替えた後は、鉢底から水が流れ出すまで
たっぷりと水をやり土全体にしっかり浸透させます。
その他に植え替え後のお手入れは以下の2点に注意しながら
お世話をしていきましょう。
- 水は与えすぎないよう加減を
春と秋は、鉢土を触って表面が乾いていたらたっぷりと水をあげます。
夏は乾燥しがちになるので、鉢土が乾ききる前に水やりをしましょう。
冬は休眠期になるので乾燥気味にして、鉢土が乾いてさらに
白っぽくなってから水を与えます。
水やりの頻度は季節によって多少差が出ますが、
徐々に減らしたり増やしたりして環境が急に変わらないように配慮しましょう。
また、大きな葉を持つウンベラータは季節を問わず霧吹きで葉水をあげると、
葉の乾燥を防ぎ害虫の予防にもなります。 - 肥料を与える時は時期に注意
春から秋にかけての生長期には、液体肥料やゆっくりと効く緩効性の
化成肥料を土の上に置きます。肥料を与える回数は、
2か月に1回程度で良いでしょう。
休眠期になる冬は根の活動も鈍くなるので肥料は与えません。
冬に肥料を与えると、土の中の肥料濃度が高くなり、
浸透圧で根の水分が土に流れてしまい枯れてしまうことがるので注意しましょう。
まとめ
ウンベラータの植え替えはポイントを
しっかりおさえて作業すればさほど難しくはありません。
植え替え用のアイテムも、ホームセンターや園芸店に行けば
必ず手に入るものばかりなので、気負うことなく作業してみましょう!
長く美しくウンベラータを保つ為にも
是非、植え替えに挑戦してみましょう!