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紫陽花の害虫と害虫駆除
3月になると、暖かい日が出てきて、春らしくなり、
草木も新芽が出てきましたね。
春になると出てくるのが嫌な害虫です。
そろそろ、土の中からモゾモゾ出てくる時期なので、
防除が必要になってきますよね。
そこで、今回は紫陽花につく困った害虫たちを、
どんな害虫がついて、どのように駆除すれば良いのか、
などをまとめてみました。
適切なケアで綺麗な紫陽花を咲かせましょう。
害虫はどこからやってくる?
害虫は何時、どこからやってきて、大切に育てているお花に付くのでしょう?
それは、色々なことが考えられますよね。
- 新しく買ってきた植木やお花にすでに付いていた。
- 買ってきた土に潜んでいた。
- 飛び回る虫がどこからかやってきて卵を産みつけた。
- 土の中で冬眠していた虫が春になって活動を始めた。
などなど、が考えられますね。
害虫が、やってくるのを防ぐことができるのが一番なのですが、
付いてしまった害虫を、発生直後に見つけ次第、駆除するのが、
とてもとても大切なんですね。
紫陽花に付く害虫と駆除方法一覧
では、紫陽花につく害虫と駆除方法を、詳しく見ていくことにしましょう。
アジサイハバチ
数匹から数十匹の集団で葉を食害する虫。
対策として害虫発生を確認した時に薬剤散布。
害虫が活動する時期 | 4〜6月 |
虫の形態 | 長さ1~2㎝のアオムシ状の虫。 |
場所 | 新葉 |
被害
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
オルトラン水和剤 | 1000~1500 倍に薄めて | 散布 | 5回以内 |
オルトラン液剤 | 200~500倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
マラソン乳剤 | 250~500倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
ベニカ乳剤 | 500倍に薄めて | 散布 | |
ベニカスプレー | そのまま | スプレー |
アザミウマ類(スリップス類)
高温乾燥時に出て葉などを吸汁する虫。
対策として発生初期に薬剤散布。
害虫が活動する時期 | 3〜10月 |
虫の形態 | 幼虫、成虫は長さ1㎝。黄色か薄黄白色の細長い虫。 |
場所 | 新芽、葉、花 |
被害
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
オルトラン水和剤 | 1000~1500 倍に薄めて | 散布 | 5回以内 |
スミチオン乳剤 | 2000倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
マラソン乳剤 | 250~500倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
アブラムシ
葉の裏に群生し吸汁する虫。
アブラムシが多発すると、粘液状の排泄物が葉に付き、虫の脱皮殻や埃などが付いて汚れる。
そこに、すす病が誘発されて黒く汚れる。
対策として、発生確認時に指で押しつぶし殺す。
てんとう虫が天敵。1匹で30〜40匹を食べるので、
そこにいるときは、薬を控えて様子を見てみるのもよいですね。
アブラムシには、牛乳をそのままか、薄めてスプレーする方法もありますね。
牛乳がよく付着するように、石鹸を少し溶かし加えると更に効果的ですよ。
牛乳スプレーは、よく晴れた日の午前中に散布しましょう。曇りの日に散布すると、
乾かずに残った牛乳が、腐ってカビが生えますので避けましょう。
アブラムシが死んだら、散水して洗い流すのも忘れないように。
害虫が活動する時期 | 4~11月 |
虫の形態 | 1~3㎜の薄緑色の虫 |
場所 | 新芽や茎 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
オルトラン水和剤 | 1000~1500 倍に薄めて | 散布 | 5回以内 |
オルトラン液剤 | 200~500倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
マラソン乳剤 | 2000倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
ベニカ乳剤 | 500倍に薄めて | 散布 |
アオバハゴロモ
葉や枝に付いて吸汁する虫。手を触れると飛び跳ねる。
5月頃に孵化した幼虫が枝に寄生し汁を吸う。
対策としては、発生初期に薬剤散布。
害虫が活動する時期 | 初夏〜秋 |
虫の形態 | 金魚の形をした幼虫 |
場所 | 葉、葉裏、枝 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
スミチオン乳剤 | 2000~3000 倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
イモムシ、ガ・チョウの幼虫
葉、花を食害する虫。
対策としては、大きくて見つけやすいので捕殺。
もしくは、発生初期に薬剤散布。
害虫が活動する時期 | 4~11月 |
虫の形態 | イモムシ状の幼虫 |
場所 | 葉、葉裏、枝 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
オルトラン乳剤 | 200~500 倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
スミチオン乳剤 | 2000倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
トアロー水和剤 | 500~1000倍に薄めて | 散布 | |
オルトランS | そのまま | スプレー | |
スミチオンスプレー | そのまま | スプレー |
カミキリムシ
年に一回、春に樹から出てくる。幹内部を食い荒らす虫。
対策としては、春に枝の表面をかじっている成虫を見つけ次第捕殺するのが効果的。
食害されて穴が空いている場合は、薬剤を注入して穴を塞ぐ。
侵入した穴からは、木屑が出ているのですぐわかります。
害虫が活動する時期 | 5~7月ごろ |
虫の形態 | 成虫は触覚が長い甲虫。 |
場所 | 樹幹や枝の内部 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 |
園芸用キンチョール | そのまま | スプレー |
スミチオン乳剤 | 原液 | 脱脂綿に染み込ませて穴に押し込み穴を塞ぐ |
アジサイワタカイガラムシ
幹や枝に数十匹から百十匹の集団で寄生し吸汁する虫。
対策としては、ふ化幼虫発生時に薬剤散布。
カイガラムシ専用のカダンKやカイガラタタキなどが便利ですね。
害虫が活動する時期 | 4~11月 |
虫の形態 | 長さ2~5㎜の黄褐色で楕円形の扁平な虫。 |
場所 | 幹や枝 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
オルトラン水和剤 | 1000 倍に薄めて | 散布 | 5回以内 |
スミチオン乳剤 | 500~1000倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
カルボス乳剤 | 1000~1500倍に薄めて | 散布 | 4回以内 |
カダンK | そのまま | スプレー | |
カイガラタタキ | そのまま | スプレー |
チャノキイロアザミウマ
花や新梢などに付いて吸汁する虫。
対策としては、咲き終わった花柄が発生源となるので、こまめに摘み取り処分する。
発生初期に薬剤散布。
害虫が活動する時期 | 4~10月 |
虫の形態 | 長さ1~2㎜の黄色や灰褐色の細長の虫。 |
場所 | 葉、花、新梢 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
オルトラン水和剤 | 1000~1500 倍に薄めて | 散布 | 5回以内 |
スミチオン乳剤 | 1000倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
マラソン乳剤 | 2000倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
ナメクジ
葉や花を食べる軟体動物。
対策としては、鉢の裏などに潜んでいるところを捕殺。
見つけたら塩をふりかける。
ビールが大好きなので、小皿にビールを入れておき、集まってきたところを駆除する。
置くタイプやスプレーなどで駆除する。
害虫が活動する時期 | 3~10月 |
虫の形態 | 長さ10㎝ほどの茶色の軟体動物。 |
場所 | 葉、花 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 |
ナメトール | そのまま | ばらまく |
ナメクジカダン | そのまま | 置くだけ |
ナメクジドライ | そのまま | スプレー |
ハダニ
高温で乾燥を好むので、鉢の場合は雨に当たるところに置くとよい。
対策としては、発生初期に薬剤散布がよいが、同じ薬剤を使い続けると抵抗力が出て効かなくなるため、
2〜3種類の違う薬剤を順番に使うようにする。
でんぷんを使って窒息させるのもよいですし、
食酢を200〜500倍に薄めて、葉裏に散布するという方法もあります。
飲むくらいの濃度のコーヒーを、散布するのも効果がありますよ。
害虫が活動する時期 | 4~10月 |
虫の形態 | とても小さい虫 |
場所 | 主に葉の裏 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
ケルセン乳剤40 | 1500~2000 倍に薄めて | 散布 | 2回以内 |
バロックフロアブル | 2000倍に薄めて | 散布 | 2回以内 |
テルスタースプレー | 原液 | スプレー |
ヒトリガ(クワゴマダラヒトリ)
樹上に、白い袋状の巣を作って内部に群生している。
群生幼虫が4月ごろに現れます。5月に入ると単独行動し、
6月になると、繭を作って蛹になり越夏します。9月に成虫になって現れ産卵する。
対策としては、見つけ次第、捕殺。
身の危険を感じるとひっくり返って死んだふりをする、なかなか手ごわい毛虫です。
害虫が活動する時期 | 4~6月 |
虫の形態 | 幼虫は4〜5㎝で黒に薄黄色の小斑が散在する毛虫。 |
場所 | 葉 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
スミチオン乳剤 | 1000~1500 倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
ヨウトムシ
「夜盗虫」と書いてヨウトムシ。
その名の通り、昼間は土の中に隠れていて、夜に出てきて葉を食べる。
夜行性なので、なかなか捕獲しにくい虫。
対策としては、若齢幼虫期に薬剤散布。
幼虫が寄生する葉裏に薬液が十分かかるように行うとよい。
卵の殻(白い卵殻が良い)を砕いて、株元にばらまいておくと、ヨウトムシよけになりますよ。
また、コーヒーかすを土に混ぜ込むことで、忌避作用があります。
害虫が活動する時期 | 初夏と秋 |
虫の形態 | 黄褐色、暗褐色、暗緑色の斑紋があるイモムシ状の虫 |
場所 | 葉、葉裏、茎 |
被害 |
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使用薬剤 | 希釈倍数など | 使用方法 | 使用回数 |
オルトラン水和剤 | 1000~1500 倍に薄めて | 散布 | 5回以内 |
スミチオン乳剤 | 1000倍に薄めて | 散布 | 6回以内 |
オルトラン粒剤 | そのまま | ばらまく |
上手な薬剤の薄め方
薬品の希釈倍数はきっちりと計りましょう。
薄すぎても効かないし、濃すぎるのも草木にダメージを与えます。
水和剤を水で薄めるとき、いきなり大量の水に溶かすと溶けにくいので、
ココアを作るときのように、少量の水で溶くときれいに溶けます。
薬剤が残ったときは、数時間で成分が分解したり、固まって使えなくなりますので、
使い切るか、株元の土壌に撒いて処理しましょう。
紫陽花の害虫駆除と対策のまとめ
紫陽花につく害虫と駆除と対策を見てきましたが、
害虫はたくさん出現し、被害が拡大してからでは、
なかなか完全に駆除できません。
害虫が出はじめたときに、適切に駆除することがとても大切です。
薬剤を使用するときは、皮膚につかないように、
しっかりと防御した服で行いましょう。
散布のときに着ていた洋服も、全て着替えて洗濯します。
薬剤散布した後は、うがいを十分にして、顔、手足を洗い、目も洗浄しましょう。
害虫を上手に駆除して、綺麗な紫陽花を咲かせましょう。
また、紫陽花の病気については下記をどうぞ。