肉厚の葉っぱに金平糖のような小さくてかわいい花をたくさんつけるカランコエ。
ナチュラルガーデン好きに人気の多肉植物の一種だってご存知でしたか?
花の少ない寂しい冬の室内をパッと明るくしてくれるので、ファンも多い花です。
乾燥に強く、手間がかからない丈夫なカランコエですが「ある時期」に切り戻しと呼ばれる剪定をしてあげることで株が丈夫になり、より多くの花をつけるようになります。
大切に育てれば何年にもわたり花を咲かせてあなたを楽しませてくれるカランコエ。
今回は切り戻し剪定のコツや、お手入れのポイントを詳しくお伝えします!
目次
カランコエ基本情報
●属性…ベンケイソウ科 多年生の多肉植物の一種
●和名…リュウキュウベンケイ(琉球弁慶)
●原産地…アフリカ東部・南部、東南アジア、アラビア半島など
●開花時期…10月~5月
●花姿…一重咲き、八重咲き、バラ咲きなど
●草丈…最大30㎝程度
●特徴…暑さと乾燥に強いが寒さに弱いので、晩秋~初春は室内で管理する
カランコエは花期が長く、その品種はなんと100種類以上!
毎年新品種も並ぶので、冬の室内を彩る花としてまだまだ増えるかもしれませんね。
最近は釣り鐘状の花が下を向いて咲く品種や、茎が垂れるように成長して花を咲かせる品種も。
吊り鉢から垂らしてみたり、プランターで這わせたりアイディア次第で様々な楽しみ方ができますよ。
カランコエの切り戻し剪定の時期
多年草であるカランコエは年を重ねるごとに生長していきます。
ただし、茎が間延びしたり葉ばかりが茂って花つきが悪くなることも。
そのため毎年、もしくは2年に1度「切り戻し」という剪定を行います。
【時期】
切り戻し剪定に適している時期は年に2回あります。
①3月~4月……生長が始まる前の春先
②9月……花が終わって、冬の花の時期の前
グングン生長するときや花が咲いているときは避けましょう。
カランコエの剪定の仕方
切り戻し剪定はとっても簡単です。
根元から10㎝程度の位置、葉の付け根の2~3㎜のところで切り落とします。
こんなに小さくしちゃって大丈夫?と思うかもしれませんが、生長力の強いカランコエは1か月もすればたくさんの新芽をつけて、今までよりしっかりとした茎や葉になります。
思い切って切ることがポイントです。
少しのことで差がつく!日々のお手入れのコツ
丈夫で健康なカランコエにするためには、やっぱり日々の管理が大切になってきます。
置き場所や水やり、肥料の与え方など具体的にご紹介します。
カランコエの置き場所
【花後の春から秋】
カランコエはお日様が大好き!日当たりが良く、雨の当たらないところに置きましょう。
カランコエの葉は、水が当たったままにしておくと腐ってしまい最悪の場合枯れてしまうので注意が必要です。
また、真夏の直射日光は避けてください。
葉が焼けて色が悪くなり、株が疲れてしまいます。
梅雨時期などの多湿が苦手なので、明るい日陰で風通しの良い場所で管理します。
【冬から春】
カランコエは10℃以下になるととたんにつぼみが付かなくなります。
5℃以下になると株の生長も止まってしまいます。
また、霜に当たると葉やけを起こして葉が落ちてしまうので、霜が降りる時期(10月下旬~4月下旬)は室内で育てましょう。
置き場所は日当たりがいい窓辺などがベストです。
カランコエの水やり
最初にご紹介したとおり、カランコエは多肉植物です。
乾燥気味に育てるのがコツになります。
な
真夏は土の表面が完全に乾いて、白っぽくなったら鉢底から水が流れ出るくらいしっかりと水やりをします。
葉に水がかからないよう、根元から水やりをしましょう。
秋から冬、室内に取り込んでからは夏より水やりの回数を減らします。
土の表面が完全に乾いてからさらに2,3日おいてから水やりをするのがベスト。
生長が穏やかになる冬は、さらに水やりを控えます。
目安は土が完全に乾いてから1週間後で大丈夫です。
つまり、1か月間の水やりの回数が2~3回程度まで減るということです。
心配になるかもしれませんが、これがカランコエを元気な株にする大事なポイントなので心を鬼(!?)にして控えてくださいね。
カランコエの肥料
霜の心配がなくなる5月~10月がカランコエの生長期になります。
土の上に置いて、緩やかに作用する固形の肥料を置くか。規定通りに希釈した液肥を10日~2週間に一度与えます。
花が咲き始めたら肥料はストップしてください。
花つきが悪くなる原因になります。
また、夏場の高温になる時期も肥料はNGです。
根腐れを起こしやすくなるので注意してくださいね。
カランコエの摘芯と摘み取り
ガーデニングがお好きな方なら一度は聞いたことがある「摘芯」。
これは新芽・脇芽を摘み取ることで株全体の形を整えたり、より大きな花、より多くの花を咲かせるお手入れのことです。
カランコエの場合、大きな花を咲かせるというより、たくさんつける花が魅力的な植物なので、新芽を摘み取って脇芽を増やすための摘芯を行います。
夏の生長期に葉の先端にできた新芽を1~2㎝ほど摘み取ります。
摘み取る位置は、すぐ下の葉の付け根から2~3㎜ぐらいのところ。
指で摘み取ってもいいですし、はさみで切り取ってもOK。
その葉の付け根の位置から脇芽が出てきて、それぞれにつぼみが付くので花の数が増えるというわけですね。
また、摘芯をすることで上に生長するのではなく、横に広がるので草丈を調節したい場合にも有効ですよ。
【摘み取り】
カランコエは次から次へと花を咲かせます。
花の盛りを過ぎると、枯れ始めた花と咲いている花が入り混じる状態になりますよね。
ひとつの茎に咲く花の3割~4割が枯れた花になったら、付け根から切り取ってしまいましょう。
こうすることで葉の過密や、土に日が当たらず下のほうの葉が腐るということを防ぐことができます。
こんな時どうする?カランコエQ&A
基本的にカランコエは丈夫で元気、あまり手間のかからない多肉植物ですが育てていると、疑問に思ったり不安に思うことがありますよね。
ここではカランコエを育てているときに、つまずきやすい疑問点や悩みをQ&A形式で解説します。
花が咲かない!
一番多い悩みがこの、花が咲かなという悩みではないでしょうか。
カランコエはお日様大好き!な植物ですが、花を咲かせるためには条件がある「短日植物」という植物に分類されます。
●短日植物とは……日照時間(明るい時間)が12時間以下にならないとつぼみが付かない植物のこと
ですから、夜になっても常に電気がついている部屋に置いている場合や、蛍光灯の真下などにカランコエを置いている場合にはつぼみが付かなくなってしまいます。
【対策】
一日12時間以上明るいところに置いていると、いつまで経ってもつぼみや花は付きません。
対策としては
①夜間だけ、暗い場所に移動させる
②段ボールなどをかぶせて暗闇を作る
というのが有効です。
この対策のことを「短日処理」といいます。
【短日処理】
花を咲かせたい3~4か月前からはじめます。
例えばクリスマスに咲かせたいなら7月~8月がベストです。
あなたの生活に合わせて17時~7時、19時~9時などの時間帯に段ボールをかぶせたり、暗所に置いたりして光を浴びる時間を1日12時間以下にしましょう。
1か月毎日続ければ3か月後にはかわいい花芽をつけてくれますよ。
気を付けたほうがいい病気は?
比較的病気にも強いカランコエですがやはり病気は心配ですよね。
気を付けてほしい病気をご紹介します。
●アブラムシ
5月~9月に良く発生します。
茎や葉から汁を吸うので生長が悪くなるだけでなく、アブラムシがウィルス性の病気を媒介することもあるので、早期発見・早期治療が大切です。
ベニカXファインスプレーなど市販の殺虫剤を使うか、薄めた牛乳をスプレーして駆除することもできます。
ただしそのままにしていると、腐敗や異臭の原因になるので必ずふき取りましょう。
少数ならガムテープで捕殺することもできるのでお試しあれ。
●灰色カビ病
その名のとおり、カビ菌が原因の病気です。
最初は水がしみ込んだようなぼやっとした斑ができますが、進行すると灰色~褐色のカビが表面を覆ってしまいます。
根元に発症すると苗が腐って枯れてしまうので、注意が必要です。
初期なら病変部を取りのぞくことで対処できますが、広範囲に蔓延しているのならカリグリーンなどの市販薬が効果を発揮します。
魅力的な多肉植物 カランコエ
多肉植物というとユニークで肉厚な葉が注目され、たくさんの種類の中から選ぶ楽しみがある植物です。
その中でも数多くの花をつけてくれる多肉植物といえばカランコエの右に出るものはないと言っても過言ではありません。
短日処理や切り戻し剪定などと聞くと、なんだか敷居が高そうですが、とっても簡単なことがお分かりいただけたと思います。
花の色や咲き方、葉の形など、あなたが「これだ!」と思える一株を、ぜひ探してみてくださいね。