インテリアプランツとして人気の高いウンベラータは
植物のなかでも挿し木の成功率がとても高い植物です。
挿し木とは切り取った茎や枝を使った繁殖方法のことです。
ウンベラータの挿し木は手順も非常に簡単で手軽に行うことができますよ。
目次
挿し木の時期
ウンベラータの挿し木は生長期でもある
4~7月がいいでしょう。
特に暖かな気温が安定している
5~6月がおすすめ。
冬の間は寒さのせいで挿し木の成功率は
格段に落ちるためやめた方が無難です。
またこの時期は植え替えや剪定の時期でもあります。
同時に行うことで手間も省けるため
天気の良い暖かな日を選んで作業しましょう。
ウンベラータの挿し木で用意するグッズは?
- 鉢植えのウンベラータ
- 土
- 土を入れる鉢
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 発根促進剤
- 剪定バサミ
- 樹液から手を守るゴム手袋
- 床に敷く新聞紙
- 発根促進剤
切り口からばい菌が入らないよう、
剪定ばさみは事前に消毒しておきましょう。
挿し木用の土は栄養のあるものはあまり向いていません。
肥料成分のない赤玉土などを使うといいですよ。
ウンベラータは切り口から毒性のある白い樹液が出ます。
直接手に触れるとかぶれをおこし、床につくとなかなか落ちません。
手袋をしたり新聞紙を引くなど対策をしましょう。
ウンベラータの挿し木の方法
作業前に新聞紙をしくなど準備をしてから作業に入りましょう。
- 新しい鉢の底に鉢底ネット、鉢底石、土を入れる
- 芽が出る部分を3つほど残してウンベラータの茎を7cmに切る
- 上の方の葉を1~2枚残し、それ以外の全ての葉を切る
- 残した葉を横方向へ半分のサイズになるよう切る
- 水の中に切り口を入れながら、さらに切り口を斜めに切る
- 切り口からでる白い樹液を水で洗い流す
- 切り口に発根促進剤を塗る
- 土に水をかけて湿らせ、指で穴を空けて茎を挿す
- 日の当たらない涼しい場所で管理する
- 根が発根するまで土を乾燥させないよう定期的に水やりをする
水挿しってなに?
水挿しとは、切った茎の切り口を水につけて発根させる繁殖方法です。
ガラスのコップや容器に挿しておくだけなので、
インテリアとして飾っておくことができ手軽に行うことができます。
上記で説明した方法の7番まで手順は同じです。
7番まで作業を進めてから水挿しの作業に入りましょう。
- 水を入れ替えた容器に挿し穂を入れる
- 午前中だけ日の当たる場所におく
- 発根するまで毎日水を入れ替える
水挿しは毎日必ず水を入れ替えましょう。
一日1度の入れ替えで大丈夫です。
水中で発根させた根なので、鉢上げ後は土の環境に
慣れるまで水をたっぷり与えるようにしてください。
徐々に水を与える間隔を空けて、3日に1度のペースで
水遣りをして、風が当たらない室内の日陰で管理します。
挿し木を成功させるコツは?
- 挿し木を成功させるポイントは、斜めに切って
切り口の表面積を大きくすることです。
切り口の面積が大きいほど水を吸い上げる力が強くなるため、
茎を切りとったあともう一度斜めに切ってみてください。
また、葉っぱを半分に切るときは、葉の中心にある垂直な
葉脈を軸に左右を折りたたみ、葉先が上になるように、
斜め下から上に向かって半分に切り取ります - 日頃から日当たりのよい場所で管理することで
太く元気な枝に成長します。
元気な枝は挿し木の成功率も高まるので
お手入れをしっかり行いましょう。 - 新芽は元気な枝である証拠です。
挿し木にする枝は新芽の付いているものを
選びましょう。 - 発根促進剤は使わなくてもいいですが
できる限り使用したほうが成功率が高まります。 - 枝を切り取る際、繊維をつぶさないようにしましょう。
繊維がつぶれてしまうとそこから腐ってしまうことがあります。
もしうまくできなかった場合は、切り取った後に
もう一度切り口が綺麗になるように切ってみましょう。 - 水挿しと違い、挿し木は土の中で発根するため
いつ発根したかわかりません。
そこで発根が確認できるように、挿し木の容器は
ペットボトルなどの透明な容器を使ってもいいですよ。
鉢上げ(植え替え)のタイミング
鉢上げとは挿し木をして発根を確認したのち
鉢植えに植え替える作業のことを指します。
発根は挿し木から約1か月ほどで始まり
その後新芽が出てきます。
鉢上げをするのは発根が始まってから約1か月後。
挿し木をしてから約2か月ほどで行います。
鉢上げに必要なもの
- 新しい鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 観葉植物の培養土
鉢上げの方法
- 新しい鉢を用意して鉢の底に鉢底ネット、鉢底石を入れる
- 鉢に観葉植物の培養土を1/3ほど入れる
- 挿し穂を鉢から抜き出す
- 根を傷つけないように軽く手でもみほぐす
- 新しい鉢に根を置き周りを観葉植物用の培養土でうめる
- 水やりをして挿し木を固定して完成
発根したかどうかを確かめるには1か月半程経過したあと、
挿し穂を少し引っ張ってみて根が土を掴むように
抜けにくい感じがしたら根は出ています。
ウンベラータの管理方法
- 水やり
4〜10月は、鉢の土の表面が乾いたら鉢の底からしみ出すまで
たっぷりと水をあげてください。
特に7~8月は毎日水やりが必要になるかもしれません。
11〜3月は土の表面が乾いて数日たってから、
鉢底から流れ出るくらいたっぷり水やりをします。
水不足になると葉が下向きにしおれてくるので、
その状態を目安にしても構いません。
ただ、夏ならその日のうちに水をあげてくださいね。
受け皿にたまった水はすぐに捨てましょう。
- 肥料
ウンベラータは4~9月の間に追加で肥料を与えます。
ただし、鉢植えを購入した直後など最初から
土に肥料が混ぜてある場合は特に必要ありません。
栄養分のない土に入れ替えた場合や土の栄養分がなくなって
成長スピードが前年よりも遅くなった場合などは、
2週間に1回水やりの代わりに液体肥料を追加で与えましょう。
- 置き場所
鉢内が乾いて直射日光が当った場合、
葉焼けを起こす場合があります。
暗すぎる場所では、時折直射日光の当らないよう
注意して日光浴をさせましょう!
室内のインテリアとして管理する場合、
レースのカーテン越し程度の光が一番良いようです。
乾燥する部屋に置く場合、
時折、葉の面裏に霧吹きしてあげるといいでしょう。
- 温度
最低でも10℃以上を保ちましょう。
それ以下の時は控え気味の水やりを行って下さい。
水が少ない場合、葉の重みだけで無く
葉柄からうな垂れますと、水を欲しがるサインです。
マンションや寒冷地域で暖房の効いたお部屋で
10度以上ですと全く問題無く管理できます。
10℃以下になりますと柔らかな葉なに茶色や
黒いシミが入ったりします。
5℃以下になりますと、落葉します。
- 病害虫
雨などそもそも湿っぽい時期、
風通しが悪く湿気が高くなる置き場所などでは、
「アブラムシ」「カイガラムシ」「コナカイガラムシ」
という害虫がよってきます。
幼虫なら、殺虫剤をまいて退治できます。
カイガラムシは成虫になると殻にこもって殺虫剤が効かなくなるので、
使い捨ての歯ブラシなどでこすり落としましょう。
アブラムシやカイガラムシを放置していると発生する「すす病」
枝や葉がすすで覆われたように黒く変色する病気がすす病です。
アブラムシやカイガラムシの排泄物にひかれて菌が寄ってきます。
すす病になるとただ見た目が悪くなるだけでなく、
光合成ができなくなってウンベラータが衰弱しやすくなります。
すす病にかかっている部分を見つけたら、
殺虫殺菌剤を散布するのと、アブラムシやカイガラムシが
いないか確認し、それらも退治しましょう。
乾燥した葉っぱによってくる「ハダニ」
乾燥した環境を好んで寄ってくるのがハダニという害虫です。
ウンベラータの葉や茎に住みつき、養分を吸って葉を弱らせます。
ハダニは体長2〜3mmで、葉の裏などに小さな白い無数の斑点や、
かすり傷を見つけたらハダニの被害かもしれません。
見つけたら、殺虫剤を散布して退治してください。
ハダニは水分が苦手で、霧吹きを定期的に吹きかけておけば予防になります。
被害がすすんだ葉っぱはその部分だけ切り取るか、
見た目が悪くなるなら葉が生えている元から切って処分してください。
まとめ
ウンベラータの挿し木の最も大切なポイントは
挿し木に使う本体を日頃から元気であるように管理することです。
元気のある枝とそうでないものでは成功率も全く変わってきます。
ウンベラータの挿し木のためにも常にウンベラータを
丁寧に管理していきましょう!