ラベンダーを増やす方法として一番おすすめなのは、断然挿し木!
早くたくさんの株を増やせるのでプロも使っている方法です。
「でも……難しいんじゃない?」
というあなたに朗報です!
どこよりも詳しく丁寧に!!!
ラベンダーの挿し木について徹底解説します。
目次
どうして挿し木がいいの?
ラベンダーの増やし方には種まきと挿し木の2通りあります。
ガーデニング経験者の方だったら
「あれ?株分けは?」
と思ったかもしれませんね。
ラベンダーは多年草と思われていますが、実は木、樹木の仲間です。
その証拠にラベンダーの根元は木質化して木のような風貌になっています。
そんな木を抜いて半分に分けてしまうと、割けてしまうことは
簡単に想像できますよね。
不可能ではありませんが、その裂け目から病気にかかったり
腐ったりと最悪な場合、親株と新株どちらも枯らしてしまうことに。
ですからあまりおすすめしません。
一方種まきは一度に多くの苗を育てることができますが
花をつけるようになるまで3年ほどかかるといわれています。
挿し木は上手に育てれば植え付けた次の年に
小さいながらも花をつけてくれるので、早く増やすことができます。
また、挿し木はいわゆるクローン。
親株の情報をそのままに大きくなりますので
お気に入りの一株を増やしたい人は挿し木が一番なんですよ。
挿し木の前に。大切な3つのこと
挿し木を成功させるコツはたった3つ!
この3つをいかに実践できるかで挿し木の成否が決まると
言ってもいいくらい大切です。
挿し木初心者はもちろん、以前に挿し木に失敗したことがある方も
迷ったときはまずこの3つを見直してくださいね。
一番状態の良い親株を選ぶこと
基本中の基本ですが、
多くの挿し穂(挿し木をするために切り取った枝のこと)を
採ろうとしたときに起こりやすいミスです。
具体的には
・病害虫にかかった株
・茎が弱く、花があまりつかない株
を避けること。
緑が濃く、太い茎の元気な株を選ぶことが第一ステップです。
適切な時期を選ぶこと=梅雨絶対説を信じすぎない
思い立ったが吉日、なんてことわざがありますが、
これは挿し木にはNGです。
通常よく言われるのが梅雨がベストということ。
ですがラベンダーはこの時期、
花を咲かせ、種を残そうとせっせせっせと働いている最中。
ですから根を生やそう、もっと伸ばそう!という気が
あまり起きていません。
時期については別項目で詳しく解説しますね。
挿し木の管理は丁寧に
挿し木は根が出るまでが勝負!
ただやみくもに水をじゃぶじゃぶかけていれば育つわけではありません。
その時々に適切な水やりの方法や保管場所など
管理方法が大切になってきます。
もちろんこれものちほど詳しく解説しますので
お見逃しなく!
最適なラベンダーの挿し木の時期はいつ?
先ほどもお伝えしたとおり、ラベンダーは梅雨時の
挿し木は向いていません。
ではいつがいいのでしょうか。
それは花が咲く前の春(4~6月)と花が終わった秋(9~10月)の
年2回です。
その中でも特におすすめなのが5~6月。
なぜなら発根するための適温は20℃前後といわれていて、
この時期は昼間と夜間の温度差が小さいので
挿し木に一番やさしい季節なんですよ。
●注意!
その年によって気温には変化があります。
もし挿し木をしようと思ったときに
穂先につぼみができていたり、つぼみができ始めていたときは、
無理をしないことが大切です。
準備が肝心。挿し木前に用意するもの
挿し木を成功させるためには、準備も万端に挑みましょう。
【絶対必要なもの】
・園芸用のはさみ(普通のはさみでも大丈夫ですが切れ味がいいものを)
・水を入れたコップなど(切った枝をつけます)
・新しい植木鉢(大きすぎないほうが管理しやすいですよ)
・挿し木用の土(バーミキュライトなど無菌の土。
または、挿し木専用の土もお手軽です)
・鉢底に敷くネットや鉢底石(鉢の穴より一回りほど大きいもの)
【あったらいいな】
・発根促進剤
なくてもいいですが、あれば発根率がグンと上がります。
また、そのあとも成長促進剤や
ほかの植物の栄養剤として使えるものもありますので
一度試してみては?
挿し木に必要な挿し穂の作り方
挿し木のために必要な枝を切り取ったものを挿し穂をいいます。
挿し穂はラベンダーを適当に切って作れるわけではありません。
発根させるために一番いい場所を選ぶのがポイントです。
親株を弱らせない挿し穂の採り方は?
挿し穂のために親株が枯れたり弱っては元も子もないですよね。
このとき重要なのは新芽の位置です。
ラベンダーの新芽は葉の根元から出てきます。
その新芽さえ切り落とさなければ
親株がダメージを受けることはありません。
これを守りながら
1、花穂の先端から7~10㎝の新芽の少し上、
細くて不安定なら5~6㎝上のところを切って挿し穂にしましょう
根元の固い部分から若い根はあまり生えません。
先端の生長が活発なところを使うことが成功のポイントです。
2、切り取った枝の下についている葉を
少し(下から3~4㎝くらい)落としましょう
この位置は土に挿したとき、地中に埋もれる部分です。
葉があるまま挿してしまうと腐敗や病気の原因になるので
必ず取り除いてくださいね。
3、切り口を斜めにカットしましょう
斜めに切ることで広い面からたくさんの水を吸うことができます。
発根するためにも吸水率を上げることは必須ですので
必ず行いましょう。
はさみやカッターナイフなどを使うと簡単ですよ。
ラベンダー挿し木の方法と管理
挿し木に必要な道具と挿し穂が用意できたら
いざ!挿し木です。
ここでは発根促進剤を使用した場合のやり方を
ご紹介しますね。
1、発根促進剤を説明書通りに薄め、コップやボウルに用意します
その中に切った挿し穂をつけます。
水につける位置は3~4㎝程度にし、葉が水につかないようにしましょう。
時間としては3~4時間、吸水が悪ければ一晩つけるのがポイントです。
・メネデール…100倍に薄めて使います。
・ルートン…水に浸した部分に、薄い膜ができる程度に粉のまままぶします。
メネデールは、その後の水やりやほかの植物が弱っている時などにも使える優れもの。
2、挿し穂を水につけている間に挿し床(挿し木用の土)を準備します
新しい鉢に鉢底ネット、鉢底石、用意した土を入れます。
挿し木用のトレイを使用する場合は土だけでOKです。
土ですが挿し穂、挿し木専用の用土、
または無菌のバーミキュライトを使いましょう。
ここでのキーワードは「無菌」。
培養土など肥料成分が入っていると、
そこに含まれる微生物や雑菌が切り口から入ってしまう恐れが。
一度感染してしまうと挿し木が弱ったり病気になることがあるので
無菌にこだわってくださいね。
3、挿し穂を土に挿します
土にはあらかじめたっぷりと水を吸収させておきましょう。
挿し穂は根がないので乾燥が天敵。
すぐに枯れてしまうので、できるだけ水のない時間を減らす必要があります。
挿し方は簡単。
割りばしや指などで土に穴をあけ、そこに挿し木をさします。
浅すぎるのは禁物。
葉を取り除いた位置までは思い切ってさしてください。
さしたあともう一度水やりをします。
これは普段の水やりよりも、はるかにたっぷりざぶざぶと!
そのあと土と挿し木が密着するよう、上から手で押さえてください。
4、発根までは水を欠かさないで!
発根までの期間は約1か月程度。
この間、根がないので、茎と葉からしか水が吸えません。
土が乾かないように注意が必要です。
また、葉がしおれないように霧吹きなどで
葉にも直接水分を与えることを忘れないでくださいね。
ただし常にべちゃべちゃな土だと、逆に枯れてしまいます。
毎日観察して、土を手で触り感覚を身につけることが一番です。
ここからは地域差や環境さもありますので
試行錯誤が必要になってきます。
基本を守りつつ、その挿し木に一番最適な水やりを見つけることが
成功への近道です。
5、挿し穂の置き場所を決めましょう
挿し穂の鉢は直射日光を避け、
風通しの良い半日陰(午前中のみ日が当たる)で管理しましょう。
明るめの窓辺や軒下、ベランダの塀添いや
カーポートの下などがおすすめです。
発根したかな?確認方法
発根は鉢や挿し木、種まき用の容器をそっと裏返すことで
確認できます。
鉢穴から白い根が出ていたら発根成功です。
また今までとは明らかに違う、
勢いのある新芽が挿し穂から出てきたら株が育ち始めた証拠。
こうなると挿し穂を軽く引っ張ると
ズシリ、とした抵抗感が伝わってきます。
ここまで来たら一安心!
根が出てもしばらくは水を欠かさないようにしましょう。
いくら乾燥に強いといっても、挿し穂はまだまだ赤ちゃん。
毎日様子を見て、
病害虫などには十分注意しましょう。
挿し穂が大きく育ち、きれいな花を咲かせることを想像しながら
優しくこまめに手入れしてくださいね。