原産が日本ということもあり、
身近な存在として親しまれてきた彼岸花。
”彼岸花”という名から、
不吉なイメージを持つ人もいるでしょう。
ところが彼岸花という名以外にも、
彼岸花には多くの別名があることを知っていますか?
今回はそんな彼岸花の別名とその由来、
色によって異なる種類までもをまとめてご紹介します!
目次
彼岸花とは?
学名:Lycoris Radiata
科・属名:ヒガンバナ科・ヒガンバナ属
英名:Spider lily
原産地:日本、中国
開花期:7~10月(原種は9月)
花の色:赤、白、ピンク、黄、クリームなど
全草有毒植物と言って、
花や葉、はたまた球根までもに
毒をもつ彼岸花。
その毒たるや球根一つで
ネズミ1500匹の致死量となるほど。
しかしその毒性を使って、彼岸花を田畑沿いに
植えることで害獣を寄せ付けないように
していたとされています。
またその美しさから、彼岸花畑が観光名所となり
彼岸花の里と呼ばれる土地もあります。
毒の危険性がある反面、
有益に利用することで上手く共存しているようですね。
由来別!彼岸花の別名一覧
彼岸花の別名はおよそ
1000種類にも及ぶとされています。
次は由来別にした別名をご紹介します!
死などに由来した別名
お彼岸の頃に咲くことや
墓地などにも植えられることが多いので
このような名がついたのだと思われます。
- 死人花
読み方:しびとばな - 地獄花
読み方:じごくばな - 幽霊花
読み方:ゆうれいばな
彼岸花の持つ毒性に由来した別名
まさに毒そのものを象徴した別名。
中毒症状では痺れなども起こすことから
付いたと考えられます。
- 毒花
読み方:どくばな - 痺れ花
読み方:しびればな
花の姿に由来した別名
花の形やその赤々とした色から
付けられたものでしょう。
狐火というように、火と狐は妖艶の
イメージもあり彼岸花の印象にも合致していますね。
- 天蓋花
読み方:てんがいばな - 狐の松明
読み方:きつねのたいまつ - 狐花
読み方:きつねばな
珍しい別名
あまり聞くことのない別名ですが、
”葉見ず花見ず”の花が咲くころに葉は出ず、
葉が出たころに花は枯れているという生態を
表した別名もあります。
それぞれが彼岸花の特徴をうまく表しながらも
印象を損なうことのない名をつけ
親しんでいたことが窺えますね。
- 葉見ず花見ず
読み方:はみずはなみず - 雷花
読み方:かみなりばな - 石蒜
読み方:せきさん - 龍爪花
読み方:りゅうそうか - 剃刀花
読み方:かみそりばな - 捨子花
読み方:すてごばな
よく知られた別名
それぞれ彼岸花の別名としてはよく聞く名です。
また敢えて曼殊沙華と呼ぶ人も多いです。
- 曼珠沙華
読み方:まんじゅしゃげ - リコリス
読み方:りこりす
彼岸花?地域によって異なる名
彼岸花の別名は地域によっても異なるとされ、
方言の衰退が進む昨今では貴重な方言の資料
としても重宝されているようです
- 北海道…ウドンゲ・シニンノハナ
- 沖縄…イー・コンソウ
- 大阪…オマンジュウバナ・シュウトメバナ
- 東京…ゴシャメンバナ・シブトッパナ
赤だけじゃない!色に寄って異なる種類
彼岸花は赤のイメージが強いと思いますが、
その実、白や黄色の等色鮮やか。
そこで色別の種類と、それぞれの名称をまとめてみました。
白色の彼岸花
- リコリスニアホワイト[br num=”1″]クリーム色の花弁にピンク色がさし色となって可愛らしい種類。
- リコリスアルビフローラ[br num=”1″]白の花弁にピンク色の筋か入ってるのが特徴。
- シロバナマンジュシャゲ[br num=”1″]赤の彼岸花に比べ花弁の反り返りや縁のフリルが緩やか。
黄色の彼岸花
- ショウキズイセン[br num=”1″]主に四国から沖縄に自生している。[br num=”1″]花弁は目がさめるような鮮やかな黄色をしている。
- カチューシャ[br num=”1″]緑がかった淡い黄色が特徴。
- 喝采[br num=”1″]花弁はカチューシャと比べて黄色の強いクリーム色。
ピンクの彼岸花
- 貴婦人[br num=”1″]濃いピンク色をしており、花弁の先は紫色
- 水中花[br num=”1″]薄いピンクに紫の筋が花弁の先から伸びている
- ヘイジャクス[br num=”1″]鮮やかなピンク色と紫が縁からグラデーションになっている
まとめ
彼岸花や曼殊沙華といった名前で
呼ばれることが多いものの、
生態や地域によって面白い別名が
たくさんあることがわかりました。
たくさんの別名があるということは、
その分多くの人に親しまれている
ということでしょう。
今も昔と変わらぬ姿のまま人々を魅了して
楽しませてくれる彼岸花は、
日本になくてはならない花のようですね。